第56回 ラブ・アクチュアリー

2018年10月11日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。

心温まる映画を見ました。『ラブ・アクチュアリー』です。当日、あまり見たい映画もなく、何となく見てみようかなと思ったのが切っ掛けでした。

老いぼれたロック歌手がレコーディングする冒頭には失敗を感じましたが、すぐに引き込まれて行きました。

舞台はイギリスの街で、同時進行して行く19人のラブストーリー。やがて、そのストーリー達が一つの形にリンクして行く。その斬新な表現方法と、俳優が演じるそれぞれのキャラクターが、とても微笑ましい映画にしているのでした。

一番気に入っているのは、リーアム・ニーソン演じる父親像。愛していた奥さんに先立たれ、いつまでもその幻影を追う夫の役を演じています。この奥さんの実子とのふれ合いと初恋が、やがて自分のラブストーリーに発展して行くクライマックスにリンクして行くのですが、それまでの恋のアドバイスや、失恋に対する慰めが、型破りでとっても共感出来るのです。

「レオとケイトの助けがいるな!」そう子供に檄を飛ばすと、一緒にタイタニックのビデオを見ながらタイタニックポーズをかますのです。あんな親父欲しい!って見ながら興奮してしまいました。そして、あんな父親になれたら良いなって。

あと、個人的に感動したのが、精神病を患った弟を持つローラ・リニー扮するサラの恋。この恋が悲しくて、でも一番現実的で奇麗な恋だった気がします。

ずっと思い描いていた憧れの人と、結ばれるチャンスにかかってくる電話。弟からのコールに、しっかりとケアをする姉。切っても切ってもなり続ける電話に、男は冷めて行きます。愛しているのに、病気の弟との愛を選んだ姉の気持ち。こういう愛の形もあるんだと、切なくなりました。誰もが恋する異性と結ばれたいと思うはず。しかし、病気が故、弟のケアに愛を見いだす姉。見た目には写らない、美しさを感じました。

そして迎えたクリスマス。それぞれの恋が、一つにリンクする瞬間です。その案内人をしているのが、Mr.ビーンのローワン・アトキンソンでした。ちょこっと出てくるだけなのに、もの凄い存在感がある彼の演技に脱帽です。

冒頭のロック歌手、クリーンな歌詞に書き換えた歌を歌って、「ヘドが出る」と本音をぶちまけ続けますが、クリスマスのトップチャートに上り詰めます。しかし、彼が選んだのは、名声ではなく、共に歩んでくれたマネージャーだったのです。「酒でもカッ食らって、ポルノでも見ようや!」なんか、その台詞にキュンと胸が温かくなりました。

ラブストーリーって、あんまり好きじゃないんですけど、この映画は共感持てました。こんな事絶対にあり得ない事ですが、だから映画じゃないですか。どうせ嘘なら、これくらい素敵にだまして欲しいですね。暖かい音楽に溢れていて、その音楽1つ1つにもキュンとさせられました。良い映画を見ました。

ところでこのメルマガ、老裏2ですよね?

2004.04.25

永礼盟