第69回 アルツハイマー

2018年10月25日

「私はいま、人生の日没へと続く旅にでます」。

1994年の11月、レーガン米元大統領は、自分がアルツハイマー病を患った事を国民に公表した。それから、約10年の歳月がながれ、レーガン元大統領の闘いは、終止符を打った。

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。先日、レーガンさんが亡くなられました。ご自分が、アルツハイマー病におかされている事を国民に告げて闘病生活に入られたのを、今でも覚えています。

アルツハイマーという病気を、当時知りませんでした。正直、このニュースを見た時に、パーキンソン病にかかったと、聞き間違えていたぐらいです。「ああ、レーガンもアリやJ・フォックスのようになるのか」そう、冷たく思っただけでした。テレビを見ながら、病気にかかる人を、1視聴者として無責任に眺めていたのでした。何も知らなかった自分が、アルツハイマー病を患った人と向き合っている事に、若干の運命を感じ、アルツハイマーについて書いて行きたいと思います。

レーガンの闘いは終わった訳ですが、アルツハイマーとの闘いは彼一人ではなく、その家族をも巻き込んでの死闘だったに違いありません。

アルツハイマーとは、脳内の神経細胞が死滅する事により、脳が萎縮し、記憶力や判断力等の知的機能が低下する原因不明の難病です。私は、痴呆という言葉が好きではないのですが、その症状を持つ高齢者が日本では百数十万人。そのうちの半分がアルツハイマー病だと言われています。高齢化社会が進む中、アルツハイマー病にかかる率も多くなると言われ、とても深刻な病気だと思います。

この病気は、愛する人の記憶を奪います。愛する人がいるならば、その幸せを分かち合って行きたい。共有したい思いを、この病気は奪って行ってしまうのです。人間が生きる証に愛を求めるならば、この病気はなんて卑劣で残虐でしょう。

アルツハイマーを患った人を、老人ホームに入居させる事を、身内の方はとても罪に思われているようです。事情を知らない親戚から、強いバッシングを受けたりする話をいつも耳にします。

決して、介護施設を利用する事は悪い事でないと思います。自分がそうであったように、アルツハイマー病への関心は、まだまだ低いと思われます。レーガンさんが、国民にご自分の病気を告知された事で、アルツハイマーへの関心が高まったと言われています。

レーガン米元大統領のご冥福を、心からお祈り申し上げます。

2004.08.01

永礼盟