【第18回】特別養護老人ホームの実態(7)

2019年3月19日

前回に続き、洋服や小物、アメニティグッツについてはどうであろうか?洋服は個人持ちというが、ひとりひとりのスプロールが異なるため、介護を提供スタッフ側に便利がいい衣服を個人の荷物から探すし、収納スペースが少しなので、『季節ごとに家族に入れ替えて持ってきてもらうというのが通常となっている。えてして、アイロンかけや洗濯物のたたみを高齢者の手先のリハビリと生きがいの作業として参加してもらうという事になっておりまだ十分でないことを証明できる手錬とは考えられた。あまりそのあたりには市町村の窓口が対応して対応しているわけである。結局介護側の論理に基づいて利用者にサービス提供なされているから、その部分の考え方や偏見をまず取り除いていくべきであろう。

衣服は軽量で暖かいものが例えばこれからはとても便利である。ポリエステルは合成繊維のうち、最も軽いスカートやズボンは、洗って乾燥機なくてもすばやく洗濯すればもとの加工がよみがえり、しわにならないのが特徴である。しかし多くの汚れ物と一緒に洗っていると、汚れの再汚染が起こり、かえって洗う前より色が全体的にくすむという場合が多いので難しい。しかし、綿はもっと通気性がはやく、夏場の汗の不快から開放してくれるが、しわになりやすく、乾きにくい。デザインは最近のポリエステルをはじめとして、キュプラなどの生地の素材はあるのでいろいろ楽しめるのではとおもう。

高齢者になったら、華やかな色は果たして似合わないのか?等について検討してみたい。まずばばシャツであるが、あれはその上に着る服にひびかないように襟ぐりは大きいし、色もピンク系が多い。これとしたばきはみせないので、とりあえずいいとしてなんたって高齢者が一番似合うのは赤である。口紅も深紅ではなくて単純な赤が白い髪、皺が刻み込まれた顔の皮膚に映えてお洒落が引き立つ。還暦の衣装が赤を主体としているので、恥ずかしがらずに赤に挑戦してみてほしい。茶色やくすんだ色は若いコムデご愛用の若いお嬢さん方に任せておけばいい。

次にズボンだがウエストゴムが基本であるのは、下腹がでてくることも一理あるが、トイレでの上げ下げが便利であるから遠慮しないで履いてみてほしい。ジーンズを選ぶのであれば、ゴムタイプは大人用には少ないが、老人体型というのは下腹部がでるがお尻の肉は落ちて男性のような尻の形になるので、ウエストで合わせて買うのが良かろう。スパッツというのはご存知であろうか。ももひきをちょいとお洒落にした感じだが、そのままズボンとしてもかっこいいし、ウエストはゴムである。ハイソックスをはけば、スカートの下にも履けるすぐれものである。これにレッグウォーマーをつけたら、若い人に引けをとらないお洒落が楽しめるのではなかろうか。

外の散歩には必携の杖も、今はとてもカラフルになって来ている。洋服や場所に合わせて、ケンゾーブランドの赤地にバラ模様の杖をお持ちの85歳のおばあちゃんをおみかけしたがとてもお洒落であった。老人カーに至っても本当にベビーカー並みにして素敵なものが販売されるようになってきている。出かけるのが楽しみになるような気分を演出するためにお洒落は必要不可欠な要素なのである。

昔から肩こりの横綱だった筆者は子供を負ぶうのが本当に苦手で、ベビーカーが使えない、雨の日、保育園に連れていくのによく往生した。雨の朝がすごくユウツなので、一計を案じて15年ほど前にブランド品のとても上等な大きな傘を買った。ものすごく、形もデザインも素敵で値段も当時で2万円した品物である。しかしながら雨の中、その傘をさすことが嬉しくて心がうきうきして、子供のおんぶのことなぞ、すっかり苦痛にならなくなったことを思い出す。

要は動機づけやきっかけをどう作成していくのかがとても大切なことに高齢者にはなり得るということである。髪を整え、口紅をさし、黒のタンクトップに黒のジャケット(←カーディガンでは映えない)、スパッツをはいて、ケンゾーの杖をつく高齢者、想像しただけでもなんて素敵だろうと思う。なおなお、帽子は真っ赤のつばのあるタイプ。落ちないように18金の鎖クリップをお忘れなく。白い髪に赤い帽子に、黒のファッションはいかがであろうか。

次回はだれのためのお洒落を書いていきますんでご購読宜しくお願いいたします。

2005.11.29