ディジョンからローカル線で1時間強にあるフランシュ・コンテ地方はフランスというよりもスイスのよう。すぐ隣がスイスでこの付近に住む人は国際線の飛行機に乗る時はパリよりもむしろ越境してジュネーブ空港へ行くというもの頷ける。首都ブザンソンの駅前にある花時計はジュネーブの英国庭園内にあるそれにそっくり。また町並みもジュネーブやローザンヌのよう。
フランスにありながら歴史に翻弄されて外国領土になったり言語を変えられたという点では、アルザス・ロレーヌ地方が有名だけどここよりも先に翻弄されたのはこのフランシュ・コンテでした。ここはスペイン領だった事もあるしスイス、ドイツになったこともあり。スペインというのは意外や意外。でもブザンソン市街にある古い建物にはスペインの雰囲気を漂わせるお洒落なものが幾つもあり納得。南仏ほどに暑くもないのに広々としたテラスカフェが広場にあるのはやっぱりラテンの名残りかな。
でもやはりここで一番カラーを出しているのはスイス。フランシュ・コンテの名物チーズ、コンテはその正式名称の中にグリエールというスイスのチーズ名が入っているし、ここはスイスよりも遥かに昔から時計産業が栄え、度重なる戦争のため多くの職人が隣のスイスに亡命したとか。だから今はスイスの方が時計で有名になってるらしい。確かにブザンソンを流れるドゥー川の水は清んでいてキレイ。
仕事でこの川をクルーズしたことあるけれど、私が知っているフランスの河川の中では一番水が清んでいる。思わず「うさぎ恋し。。。。」と歌いたくなる程にのどか。時計産業に水は不可欠。ジュネーブもレマン湖の水が綺麗だったのを思い出す。どの川にもその地方独特のチャームがあり感動があるけれどドゥー川を初めてクルーズした時の感動はなかった。船から真っ裸になって飛び込みたい位にフレッシュさがありました。でもそうしなかったのは、私はかなづちだからです。
ブルゴーニュ地方の牧草地帯には白い牛、シャロレーが放牧され緑の大地にこの牛の白さが美しいコントラストを描きます。ここフランシュ・コンテの牧草地帯に放牧されるのはモンベリアールという茶色い牛、緑に茶色も悪くない。モンベリアールの牛乳でコンテチーズが出来て、お肉はモンベリアールという荒引きソーセージが出来てどちらも私の厳しい美味しいものチェックにパスしている郷土グルメです。
フランシュ・コンテ地方サイト: http://www.franche-comte.org/
夢路とみこ