[121]退職金あれこれ(-6-)退職金の分割払い
【退職金の分割払い】
退職金は労働基準法第11条により通常の給料と同じく「賃金」にあたりますので同法第24条の「賃金全額払いの原則」が適用されます。
したがって原則的には分割払いは認められていません。ただし例外があります。
退職金を支給する場合は就業規則や退職金規程などに退職手当に関する事項について定めておかなければなりません。その場合に退職金の分割支給に関する定めを決めておけば、分割して支給することができます。
その定めですが、ただ単に「分割払いをすることがある」とか「分割払いも可とする」というような定めではだけで、「退職手当は退職の日から1ヶ月以内にその2分の1、6ヶ月以内に残りの支払う」などその分割する回数や支払期日を決めて就業規則や退職金規程に具体的に記述されていなければなりません。
退職金は多大な出費を企業に強いるため、分割払いを含めた年金制度を導入する企業が増えてきています。これは企業にとって退職金の支払い負担を平準化することができ、また税制上の優遇措置が適用されることなどのメリットがあげられます。労働者にとってみれば、老後の安定収入になるということ、外部の機関に原資を預けるので安全であるということができます。
なお、退職金について定めがない場合は、分割払いにするかどうかは使用者の自由です。