[165]読者Q&A『時給を下げられた』

■読者からの質問

今契約社員として2ヶ月契約で働いているのですが、1回目の契約の時は、時給が1,100円だったんですが、2回目の契約更新の際、何らの説明もなく時給が1,000円に下げられていました。こういう場合、労働法には何らの規定もないのでしょうか?よろしくお願いましす。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

時給を下げられたとのことですが、賃金については労働条件でも一番大事な部分ですが、それを下げられたということはこれは「労働条件の不利益変更」に該当します。「労働条件の不利益変更」については最高裁では合理性の有る理由でなけれが認められない、とされています。

合理性については、

・不利益の程度
・変更の必要性の内容と程度
・変更後の内容自体の正当性
・代替措置等の有無
・労働組合との交渉の経過や他の労働組合、従業員の対応、
・社会的普遍性

などによって判断すべきものとされています。照らしてみていかがでしょうか?

しかし、賃金は雇用契約でも一番大切な事項であり、その賃金については契約の都度交渉すべきものです。そもそも雇用契約は双方が話し合い納得した上で押印すべきもの。時給を下げられたなら、その場で交渉しなければなりません。ハンコを押してしまったら、双方納得ということでその時給での契約となってしまいます。

労働関係法令では最低賃金法というのがありますが時給1,000円なら違法にはなりません。時給を下げられてもその契約書を確認し、押印したらその契約書は生きます。契約に際してはその内容に慎重になった方がよろしいかと思います。

万一内容を吟味しないうちに知らずに契約されてしまったなら、その契約を無効とすることができます。しかし、その場合は自分が辞めるということになると思いますので、あまり賢いことではありません。やはり契約や契約更新に際しては、十分な吟味が必要であるといえます。

2004/10/26(原文)
2006/06/27(加筆)