[193]休日労働と賃金

休日労働となるのは、週1回または4週に4回の「法定休日」に労働した場合です。「法定休日」ではなく「法定外休日」に労働した場合は休日労働とはなりません。

休日労働をさせる場合は

1.労働組合との三六協定の締結
2.労働基準局長への届出
3.35%以上の割り増し賃金の支払い

が義務付けられています。

休日労働の賃金は35%増しで支払わなければなりませんが、たとえばこの日に10時間労働したとしても、賃金は実労働時間10時間の35%増しのみでかまいません。通常ならば8時間を越えた部分(2時間)は時間外労働となりますが、法定休日の場合はもともと労働日ではないため時間外という概念が適用にならないからです。

法定外休日の賃金は1週40時間以内、1日8時間以内の労働時間の場合は通常の賃金となりますが、これを超えて労働する場合は時間外労働となり、割り増し賃金が必要となります。その場合は通常の割増賃金ですから25%増しとなります。

たとえば、法定休日が日曜日、法定外休日が土曜日で、週40時間を越えて両日とも働かせた場合は、

日曜日=法定休日⇒35%増し(休日労働)
土曜日=法定外休日⇒25%増し(時間外労働)

となります。このあたりを混同している会社が多いようですので、自分の会社ではどうなっているかを確認するといいでしょう。

[192]法定休日と法定外休日

休日は「労働義務のない日」をいいます。休暇は「本来仕事をしなければならない日ですが、その労働を免除する日」をいいます。

休日には労働基準法などの法律に定められた「法定休日」と、労働基準法ではなく労働組合などと話し合いの上定めた「法定外休日」とがあります。

【法定休日】

法定休日とは労働基準法に定められた休日のことで、毎週少なくとも1日、または4週間に4日以上与えなければならないとされている休日です。(労基法35条)。法定休日は仕事をする必要のない日として必ず与えなければなりません。またその法定休日に働かせる場合は、別途休日労働の賃金を支払う必要があります。

法定休日は曜日を特定することは求めていませんので、企業の都合で自由に決めても差し支えありません。また一斉に付与する必要もないので、各労働者の休日を異なる日に指定すれば、シフトを組んで年中無休などの稼動も可能です。

週休制でない場合の法定休日は4週間に4日休日の変形休日制を採用しなければなりません。(労基法35条2項)

変形休日制というのは2週ごとに2日の休日を指定したり、4週ごとに4日の休日を指定したりして、トータルで4週に4日休日があれば良し、とするものです。変形休日制は年間を通じて行うことも、特定の期間、たとえば繁忙期だけ行うことも可能です。

変形休日制の場合には、4日の休日を与える4週間がどこから始まるかを明確にしておく必要があります。この起算日は、就業規則やこれに準じるものにその4週間の起算日を明記することが義務付けられています。(施行規則第12条の2第2項)

なお、休日は暦日制を採用していますので、午前0時から午後12時までの24時間を一日として休ませます。連続して24時間休ませればいいということではありません。ただし、8時間勤務の3交代制などは24時間で1日の休日と認められますし、旅館のフロントや調理業務などは連続30時間で休日と認める例外もあります。

【法定外休日】

法定外休日というのは、たとえば法定休日を日曜日と決めた企業で週休2日を採用している場合に土曜日を休日とした場合に、その土曜日が法定外休日といいます。法定外休日は通常は就業規則などに明記しますが、別段決めなくても労働基準法には違反することはありません。

[191]法定休暇と法定外休暇

休日は「労働義務のない日」をいいます。休暇は「本来仕事をしなければならない日ですが、その労働を免除する日」をいいます。

休暇には労働基準法などの法律に定められた「法定休暇」と、労働基準法ではなく就業規則など職場の規則で定めた「法定外休暇」とがあります。

【法定休暇】

労働基準法に定められた法定休暇には年次有給休暇と生理休暇があります。産前産後の休業も労働基準法による法定休暇です。育児休業や介護休業も育児・介護休業法で定められた法定休暇です。

・年次有給休暇
・生理日の就業が著しく困難な女子に対する休暇(いわゆる生理休暇)
・産前産後の休業(産前6週間「多胎妊娠の場合には14週間」産後8週間)
・育児休業(満1歳未満の子供を養育する場合。男女は問わない。)
・介護休業(対象家族1人につき1回、期間は連続する93日まで)

法定休暇は労働者の請求があった場合は必ず与えなければならないので、その手続きは労働者にとって簡単になっており(はず?)、また使用者の承認も不要になっています(はず?)

・労働者が休暇の取得時季を指定して請求すれば成立。使用者の承認は不要。
・休暇の取得理由は問わない。
・請求権の時効は2年
・年次有給休暇以外は無給でもよい。

休暇日に突発的な事情で労働することになっても休日ではないの通常賃金でよく割増賃金を支払う必要はありません。

【法定外休暇】

労働基準法やその他の法律の規定ではなく、就業規則等で職場が独自に定めた休暇をいいます。

法定ではないので、その請求条件や請求権の時効、有給にするか無給か等、独自に定めることができます。よくあるものとしては慶弔休暇、リフレッシュ休暇、年次有給休暇を超えて設定した有給休暇、育児・介護等の法定休暇を超える期間の休暇等があります。法定外休暇の充実度によって人材に対する企業姿勢を評価されることが多い昨今です。

[190]残業の上限

サービス残業が社会問題になっていますが、それは残業しているのに賃金を支払っていない例が多いからです。では、賃金を払えばいくらでも残業させていいのかというとそんなことはありません。残業は上限が決められています。

まず残業をさせるには36協定が結ばれていることが大前提です。これが締結されていないと残業自体させることができません。そしてその協定が労働基準監督署へ届けられていることが必要です。

36協定が締結されていたら、その内容を確認しましょう。そこには3ヵ月以内と1年間の残業時間の上限が決められているはずです。

1週間----15時間
2週間----27時間
4週間----43時間
1カ月----45時間
2カ月----81時間
3カ月----120時間
1年------360時間
※育児・介護が必要な人については年間150時間以内

この基準は厚生労働省が1998年に出した「労働省告示第154号」に示されているもので、労働基準法三六条二項の定めによる通達で、大臣名による告示という形式をとっているので、「大臣告示」とも呼ばれます。

時間外労働は36協定が締結されていればそれは業務命令になりますので正当な理由がなければ拒否できない性質のものですが、現実には労働者の同意のもとで行われるべきものという判断がされています。つまり残業は本人の同意が必要です。

[189]読者Q&A『勤務先が労災に未加入』

■読者からの質問

家族が工事現場での業務中に指を一部切断をしていまう大怪我をし、手術・入院をしていました。もちろん労災で補償されるかと思っていました。事業主の方に労災手続きをおこなってほしいので、書類等用意してほしいと、電話で問い合わせたところ「労災には加入していない」と言い出すのです。「うちは下請け会社だし・・」と理由になっていない言葉が続き、唖然としました。では、元受け会社に手続き頼みたい、と切り出すと「それは聞いてみないとわからない。こんな手続きのことで取引先との関係がギクシャクしたら困るじゃないの」と電話を切られてしまいました。あまりの情のなさに腹がたちました。

Q1:
労働基準監督署に通報ってできるんですか?出来れば匿名で。

Q2:
事業主が労災加入していなければ、やはり補償は受けられませんか?

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

仕事中に負ったケガの治療は健康保険は使えません。労災を使うしかないのです。これを健康保険で治療すると違法行為(保険金詐欺)となります。お尋ねの場合も、治療は労災保険で行なうのが筋です。

となると雇用主が労災に加入していなければなりませんが、未加入とのこと。これは違法行為ですが、事故後でもなんとか加入できますので、すぐさま雇用主に加入することを勧めてください。

労災に加入していないと雇用主がその治療費を負担することになります。指を落としたとなれば、治療費は実費で100万以上になると思いますので労災保険料を黙って払ったほうが雇用主にとっても負担が少なくなります。そもそも労災保険というのは雇用主の負担軽減の保険なのですから。休業中の給与補償もされますし。

>:労働基準監督署に通報ってできるんですか?出来れば匿名で。

匿名でも監督依頼はできますが、この場合は匿名でないほうがいいでしょう。
お金が絡むので匿名でも誰だか分かってしまいます。監督署とすれば、実名のほうが具体的になるので監督しやすいといえます。

なお「匿名で」とは、監督署に匿名で依頼するのではなく、調査を匿名でしてもらうということです。監督署には実名を告知しないと、監督はしてくれません。

>事業主が労災加入していなければ、やはり補償は受けられませんか?

前述のように雇用主が補償するか、保険に加入して保険で補償ということになります。そのあたりの対処も監督署がうまくやってくれると思いますので相談してみてください。

2006/01/05