[73]源泉徴収なしの特定口座

2013年6月9日

株の売買で利益が出た場合、本来は確定申告をする必要が生じます。その確定申告を簡易にするための制度が「特定口座制度」です。特定口座を開設しておけば、確定申告に必要な株取引の明細を証券会社が作成してくれます。

特定口座には2種類あって一つは源泉徴収あり、もう一つは源泉徴収なし、です。源泉徴収ありの特定口座を開設すると、売買益に対しする税金を証券会社天引きして代わりに収めてくれるので、確定申告自体が不要になります。これは便利。

では、なぜ源泉徴収なし、という特定口座があるのかというと、源泉徴収ありの場合は、売買の都度利益が出ると源泉徴収されますので、再投資の資金がその分減ってしまうデメリットがあります。小額で投資をしている人にはあまり関係はありませんが、1回の取引で500万円も利益を出す人は、再投資に500万円使えるのと、税(7%とすれば)引き後の465万円ではかなり違ってきてしまいます。

また、所得税の確定申告では株取引に限らず損失を出した場合は、3年間繰越ができるのですが、これを「源泉徴収ありの特定口座」を選んでしまうと確定申告が不要なため、所得税の優遇措置が受けられないというデメリットがあります。

こういう取引をする場合は一般口座でもよいのですが、特定口座を開設しないと証券会社は年間の取引明細を作成してくれないので、確定申告に必要な資料確保の為にも、源泉徴収なしの特定口座を開設すると便利かと思います。