tax[050]退職金の控除

2012年12月31日

会社を退職した時にもらえる退職金や恩給は一時所得になり税金がかかります。しかし、退職金は給与の後払い的な性格があることや、それを元手に老後の生活などもあり、税額を低く抑えるように配慮されています。
 
通常、所得は総合課税といって、一年間に得た所得を合計したものに課税されます。しかも累進課税といって所得が多くなるほど税率も高くなります。退職金をもらったことでより多く税金をとるのは酷だ、という理由より、退職所得は総合課税ではなく、分離課税になっています。分離課税というのは、そのものだけで税金を計算することで、税金額が低く抑えられます。
 
退職金を受け取る時は、前もって「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出します。これをやっておくと、退職金の税金の清算は会社でやってくれますから自分では何もしなくて大丈夫です。申告書を出してない場合は、他の所得に関係なく一律20%で源泉徴収されているはずなので、確定申告をすることにより税金が戻ってきます。
 
退職後、再就職しない場合も、確定申告は必要です。毎年会社にやってもらっていた年末調整はありませんから、自分で税金を正しく納める手続きをしなくてはなりません。それが、確定申告です。
 
退職後、再就職した場合は、再就職した会社で年末調整をしてくれるので確定申告の必要はありません。
 
退職所得金額の計算方法は以下のとおり:
 
 退職所得金額=(退職金-退職所得控除額)x0.5
 
退職所得控除額の計算は以下のとおり:
 
 勤続年数20年以下のとき
   40万円x勤続年数
  (一年未満切上げ・80万円未満は80万円とする)
 
 勤続年数20年を超えるとき
   800万円+70万円x(勤続年数-20年)
 
2000.11.02