tax[052]一時所得(2)

2012年12月31日

一時所得に付いては第13号で書きましたが、より詳しくおさらいします。
 
一時所得とは、サービスや販売など営利を目的とする継続的行為から生じたものでもなく、労務や役務の対価でもなく、更に資産の譲渡等による対価でもない一時的な性質の所得をいいます。
 
一時所得には次のようなものがあります。
 
(1)クイズ雑誌の懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金
(2)生命保険金の一時金や損害保険の満期返戻金
(3)法人から贈与された金品
(4)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金
(5)借家人が受け取る立退き料、など
 
※日本の宝くじは「当せん金附証票法」という法律で非課税とされています。
 
【一時所得の計算方法】
 
一時所得は次のように計算します。
 
収入金額-収入を得るために支出した費用-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
 
収入金額は、満期保険金や配当金をいいます。収入を得るために支出した費用は、払込んだ保険料や掛け金の合計です。
 
特別控除額は、収入金額-収入を得るために支出した費用が50万円未満の場合はその全額が特別控除額になります。
 
特別控除額は、収入金額-収入を得るために支出した費用が50万円以上の場合はその50万円が特別控除額になります。
 
【課税対象額】
 
一時所得は、その50%に相当する金額が課税対象額になります。これを他の所得、例えば給与所得などと合計して総所得金額を求め、確定申告によって納税します。
 
ただし、懸賞金付預貯金等の懸賞金等及び一時払養老保険、一時払損害保険等(保険期間が5年以内であるなど一定の要件を満たすもの)については源泉分離課税が適用されますので他の所得と合計する必要はありません。
 
注意点】
 
生命保険の受取人と保険料の負担者が異なる場合には、保険料負担者から受取人に満期保険金を贈与したものとして贈与税の対象となります。(一時所得に対する課税は所得税)
 
一時所得の確定時期は現実に収入するまでは不確定なものが多いことから、原則としてその支払いを受けた日によることとされています。しかし生命保険契約の一時金のように、あらかじめ契約によって定められている一定事実が生じたときに支払いを受けることができるものは、その収入すべき日も、その支払いを受ける事実が生じた日によるものとされています。
 
従って、満期返戻金についても、実際の受け取りが翌年であっても、その支払いを受けるべき日(満期期日)と定められている日が本年中であれば、本年分の一時所得として申告する必要があります。
 
2000.11.16