tax[170]特定口座期限延長
2004年末で一旦打ち切られたタンス株の特定口座受け入れが2005年4月に再開され、2009年の5月まで受け入れ可能となる見通しです。2009年の5月という期限は、2009年の6月には株券が全て電子化されペーパーレスになる事を受けてのことと思われます。株券を全て電子化するというのは、株の売買による利益を把握し、税金逃れを防止すると共に、正しく迅速に処理しようとする政府の方針でもあるわけです。
延長の理由は、まだまだ個人投資家が自宅などに保管している上場株(タンス株)が大量に残っているという判断からです。ペーパーレス後のタンス株は株主の権利そのものが失われる可能性があります。それを防止するにはタンス株をタンスから出して、証券会社の口座に持ち込まなければなりません。そのため証券各社は「確定申告などの手間も省けて便利な特定口座」への持ち込みを特に勧めてきたわけです。
再開する2005年4月以降に特定口座に預ける場合は2004年末よりも条件は厳しくなる予定です。
2004年末までの特定口座への預け入れの場合、取得時の価格が分からないタンス株については、2001年10月1日の終値の80%に相当する額で認める特例措置「みなし取得価格」がありましたが、2005年4月の再開後はこの措置がなくなります。再開後は、実際に株式を購入した時の取得価格でのみの預け入れとなります。
「みなし取得価格」は実際にはそれよりも低い価格で株式を取得していてもこの制度を利用して、取得価格を高くすることができました。取得価格が高くなればその分利益が少なくなって税金を少なくすることができます。このような優遇される制度は廃止される可能性が高くなっています。取得時期や取得価額がどうしてもわからない場合には、売却代金の95%が利益とみなされ課税される可能性がありますが。いまのところはまだ詳細は決まっていません。今後の議論を待つことにしましょう。
2005.01.30