tax[129]所得税準確定申告

2013年5月30日

毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、その所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告することになっています。これを確定申告といいます。

では、年度途中あるいは申告する間近に納税者が死亡したときはどうするのでしょう?

そのときは相続人が代わって確定申告を行ないますがこれを準確定申告といって確定申告と区別しています。準確定申告は本来は日本に居住していない人が日本国内で源泉徴収されていない所得を得た時に使用するものです。

計算期間はその年の1月1日から死亡した日までで、申告日は相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内となっています。毎年の期限日3月15日は関係なくなります。

準確定申告をする場合には、次の点に注意する必要があります。

1.準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内であること。

2.相続人が2人以上いる場合には、各相続人が連署により準確定申告を提出することになります。また、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。この場合には、他の相続人に申告した内容を通知しなけばならないことになっています。

3.準確定申告における所得控除の適用

・医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。死亡の日以降の支払いはたとえ入院費であっても含めることはできません。(死亡の日後に払った医療費は、相続税の計算上、未払医療費として債務控除の対象になります)

・社会保険料、生命保険料、損害保険料控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。

・配偶者控除や扶養控除に該当するかの判定は、死亡の日の現況により判断します。

・準確定申告には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付し、相続人の住所地ではなく、被相続人(死亡した人)の住所地の税務署に提出します。

「相続の開始があったことを知った日」とは相続を開始した日ではなく、相続の開始があったことを知った日のことです。同じ日とは限りません。現実に相続人が被相続人の死亡を知らないことが多いので、こういう言い方をします。

2002.09.11