tax[141]相続税はなぜかかる?
だれでも一生に一度は経験する相続。この相続はお金が絡むだけあってお役所も黙っていません。相続はいっぺんに大きな金額が動くので税収も大きく、しっかり課税されることになります。
相続には相続される人(被相続人)と相続する人(相続人)がいて、通常は死んだ人が被相続人となります。残された人が相続人となるわけです。相続人は複数いるのが常ですから、そこに相続争いが起きたりします。お金が絡みますからそのあたりシビアです。
相続税は相続される財産に課税されますが、その財産を残した人は一生懸命税金を払ってきたはずです。にもかかわらず、残した財産になぜまた税金をかけるのでしょうか?
これには二つの論があって、まず一つ目は、相続した財産は「不労所得」だとする説です。ある人には相続する大きな財産があり、他の人には相続する財産がないということは、いずれも同じように生きてきたのに非常に不公平なことです。これを是正するため、国が仲介して大きな財産には大きな相続税を課して、それを結果的に社会に還元するというものです。
もう一つは「所得還元」説です。被相続人は一生懸命税金を払ってきましたがまだ一つ税金を払っていないものがあります。それは死ぬまで売らずにいたために価値が上がっていた財産です。財産は売って実際に所得にならないと課税されませんので生きているうちに売却しない限り課税されないことになります。それを死んだときにいったん清算する、というのが所得還元説です。
いずれにしても、行政としてはおいしい財源に違いありませんので、黙って見逃してはくれません、したがってそこに「節税の知恵」が必要になってくるわけです。
2003.03.12