tax[033]養子縁組

2013年5月30日

遺産に対する相続税の課税額はその相続人の数によって違ってきます。つまり相続人が多ければ多いほど相続税は少なくてすみます。

相続人には1人あたりの基礎控除が1000万円ありますので、例えば2人で相続する時は基礎控除は2000万円ですが、3人になれば3000万円になります。これが遺産の額から最初に引かれますので、残った額に対する税額が安くなります。

また全体で考えれば、1人あたりの相続額が減りますから、累進課税による相続税の場合、少なくなればなるほど税率自体も下がり、税額もそれに応じて少なくなります。

そこで、相続人の数を増やせば節税になるということになりますが、相続人というのはそうそう増やすことはできません。相続人はもらってくるとか買ってくることはできないからです。ところが、日本には養子制度というものがあり、この制度によって養子になった場合は、血縁として法的に認められます。法的に血縁と言うことは当然相続の権利もあります。つまり養子は相続人になれるということです。

戦前ではこのような制度を利用し、節税のためたくさんの養子を迎えることがあったようですが、今は実子がいる場合は養子は1人まで、実子がいない場合は2人までと決められています。(例外あり)

この方法は、全体的には節税になりますが、実子からすれば養子に遺産を取られることになり、自分の分が減ります。ということで一悶着おきるのが世の常です。このような場合に備えて、財産分与に関して遺言を書いておいて、トラブルが起きないようにしたいものです。

また養子縁組制度というのは、親子になろうという者同士を法律が手助けをして認める制度ですから、相続税の節税の為に行うというのはちょっと筋が違う、と明言しておきましょう。

2000.7.5