tax[038]贈与税は累進課税

2013年5月30日

累進課税というのは課税額が高くなるほど税率も高くなる仕組みのことをいいます。相続税も累進課税ですが、贈与税も累進課税です。相続税に比べ、課税額に対する相対的な税率は高くなっています。相続や贈与のように大きな金額が動く所得に累進課税制度を取り入れるとは、政府もうまいことを考えたものです。

これは、噂によれば佐藤内閣時代の中曽根康弘さんが導入したと聞きます。真偽の程はわかりませんが大きな財源には違いありません。一方相続税や贈与税を払う方は大変な負担です。相続を3回すれば遺産は無くなるとはよくいったものです。先祖からの地と汗と涙の結晶ともいえる遺産にかかる相続税。確かな使い道をしてほしいと切に望みます。

さて、贈与も相続と同じように金銭で行う場合と、物件で贈与する場合とでは評価が違います。つまり、相続と同じように、金銭ではなく物件で贈与すれば評価が下がる分節税になります。

子供に500万円の定期預金を積むと贈与になります。この評価は500万円になりますから、贈与税は(500万円-基礎控除60万円)X35%(税率)-70万円(速算控除額)となり税額は84万円になります。

これをゴルフ会員権にして贈与しますと、ゴルフ会員権は時価の70%の評価になりますので、評価額は350万円になります。贈与税は、(350万円-基礎控除60万円)X25%(税率)-30万円(速算控除額)となり税額は42.5万円となります。差し引くと41.5万円もの節税になります。

また累進課税は課税額が大きいほど税率も高くなります。ということはいっぺんに贈与するのではなく、分けて贈与すれば一回にかかる税率は低い税率が適用されます。

例えば、子供に1000万円の贈与をすれば(1000万円-基礎控除60万円)X45%(税率)-140万円(速算控除額)となり税額は283万円になります。

これを毎年100万円づつ10年間に分けて贈与した場合は、(100万円-基礎控除60万円)X10%(税率)となり税額はわずか4万円で済みます。10年間でも40万円にしかなりません。差し引けば243万円もの節税になります。

しかし前にも書きましたが、この方法は毎年贈与したという客観的な証拠が必要で、かつ毎年申告をしなければなりません。申告が即ち証拠になるわけです。

相続税と贈与税の税率比較表

2000.8.10