tax[066]相続税を払う人

2013年5月30日

相続税は相続した人(相続人)が払うべきものです。相続人とは相続する権利がある者をいいます。

どういう人が相続人になるのか?遺産を受け継ぐことができる人として、まず法定相続人があげられます。法定相続人とは法律で定められた相続の権利をもつ人で、配偶者と血縁の人(被相続人の子・直系尊属[親]・兄弟姉妹)に分けられます。

1.法定相続人

【配偶者】

配偶者とは婚姻関係にある夫婦の一方のことで、夫にとっては妻、妻にとっては夫をさします。配偶者は婚姻届が出ていれば、別居中でも相続権があります。また、いくら夫婦のような関係であっても、婚姻届のない内縁関係の場合は配偶者とは認められず相続人にはなれません。

【子】実子は戸籍が別になっていても相続権があります。父母が離婚した場合は、子は離婚した両親の双方の相続人になります。また養子も実子と同様に相続人になります。養子は実家の親の相続人にもなります。但し特別養子の場合は実子であっても相続人になれません。(特別養子:原則として六歳未満の子を養子とするもので、実親より養親による養育が子の利益になる場合に認められる養子縁組)

【直系尊属】直系尊属とは実父母、実祖父母、実曽祖父母などをさします。直系尊属が相続人になれる場合は、死んだ人に子も孫もいないときだけです。

【直系卑属】直系卑属とは実子、孫などをさします。直系卑属である子は原則として常に相続人となります。死んだ人よりも前に子が亡くなってしまっている場合には、その孫が子に代わって相続人となります。これを代襲相続といいます。なお、甥(おい)、姪(めい)は、傍系卑属といいます。

【兄弟姉妹】死んだ人に子も孫も直系尊属もいない場合で兄弟姉妹がいる場合はその兄弟姉妹が相続人になります。姉妹の場合、結婚して戸籍を移したあとでも権利があります。

2.法定外の相続人

【受遺者】受遺者とは遺言によって指名された者をいいます。全くの他人でも構いません。

【特別縁故者】法定相続人にも受遺者にも該当する人がいないとき、家庭裁判所に被相続人と特別の縁故があったことを申し立て、それを認められた者を特別縁故者といいます。

●遺産の分配比率

【相続人が配偶者と子の場合】

配偶者が全遺産の2分の1を、子が2分の1を相続します。子が複数いるときは子に分配される分を更に均等に分けます。子が3人いれば子1人あたりの相続分は全遺産の6分の1、子が4人いれば子1人あたりの相続分は全遺産の8分の1になるわけです。子が多くいても配偶者は2分の1です。

【被相続人に子がいない場合】

配偶者が全遺産の3分の2を、直系尊属が3分の1を相続します。配偶者がいなければ直系尊属が全遺産を相続します。

【被相続人に子も直系尊属もいない場合】配偶者が全遺産の4分の3を、兄弟姉妹が4分の1を相続します。兄弟姉妹が複数いるときは均等に分けます。ただし、父母の一方が異なる場合の兄弟姉妹の相続分は、父母双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。

2001.02.28