tax[065]相続した居住用財産の買換え特例
親が亡くなって住んでいた家を相続したが、相続税を払う為にやむを得ず手放した。そういう話をよく聞きますね。家を売って相続税を払った上に、多額の所得税を課せられては泣きっ面に蜂状態、神も仏も無い、ということになってしまいます。
そこで税法では、相続や遺贈で受けた居住用の財産について、買い換えたり交換するときに一定の条件を満たせば、相続税や所得税の負担軽減する特例が設けられています。
この特例の適用が受けられるのは、居住用の住宅やその敷地を売った場合で、譲渡資産および買換資産が次の要件に該当する場合。
【譲渡資産】
次に掲げる居住用財産で、その譲渡した年の1月1日における所有期間が10年を超えるもの。(父母または祖父母が住んでいた住宅やその敷地で、相続または遺贈によって取得したものに限る)
1)現に自分が住んでいる住宅で、その住居期間が30年以上であるもの。
2)以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡されるもの。
3)(1)(2)の住宅及びその敷地。
4)災害によって滅失した(1)の住宅で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が10年を超えている住宅の敷地。(その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る)
(注:相続により取得した住宅を譲渡者が建て替えた場合には、建て替え後の所有期間が10年を超えていなければ適用を受けられない)
【買換資産】
1)譲渡資産を譲渡した年の前年、その年、その年の翌年の3年間のうちに自分が住むための住宅やその敷地を取得すること。
2)譲渡資産を譲渡した年の翌年(譲渡した年の翌年に住宅やその敷地を取得した場合には、その譲渡した年の翌々年)の12月31日までに所得した住宅を居住の用に供すること、または供する見込みである事。
【特例が適用されない場合】
1)3000万円の特別控除を選択する場合。
2)所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例を選択する場合。
3)特定の居住用財産の買換えの特例の適用を受ける場合。
4)居住用財産の買換えに係る譲渡損失の繰越控除の特例の適用を受ける場合。
5)その居住用財産の譲渡先がその人の配偶者、直系血族など特別の関係にある人の場合。
6)収用等の場合の課税の特例、既成市街地等における中高層耐火建築物等の建設のための買換えの特例、同種資産との交換の特例の適用を受ける場合。
尚、この特例の適用を受けるには、確定申告書にこの特例の適用を受けようとする旨の記載(特例適用条文欄に「措法第36条の2」と記入)し、別途添付書類とともに所轄の税務署に提出しなければなりません。
2001.02.21