tax[067]先妻の子、後妻の子
相続税を払う人は相続した人です。相続人がはっきりしている場合はいいですが、被相続人が亡くなったあとよく調べてみたら先妻との間に子がいた、なんてことはよくあることです。前もって話し合っているならともかく、争議の種になることが多いです。
法律的には、先妻の子も後妻の子も立場的には「嫡出子」といい同等の相続権を持ちます。つまり先妻の子だから遺産をもらう資格が無いとは言えないのです。後妻の子であっても、先妻の子であっても相続の前には権利は平等です。この場合、相続権を放棄するというような念書を取ってあったとしても無効です。
もちろん、この場合先妻の子が遺産は要らないと放棄することはできます。また当然のことですが、別れた先妻には相続権は有りません。
では、愛人の子はどうでしょうか?
正式な婚姻状態で生れた子を嫡出子といいます。これに対して、内縁関係、つまり正式な婚姻手続きを経ないで生れた子を非嫡出子といいます。そして非嫡出子にも相続権があります。非嫡出子は嫡出子の2分の1の相続権を持ちます。
愛人の子は、通常父親の「認知」によって戸籍上の非嫡出子となります。認知する前に父親が死んでしまった場合や、父親が認知を拒否したような場合は、強制認知の裁判を起こし、裁判によって認知してもらうことができます。
つまり愛人の子も認知によって相続人になれます。
いずれにしても、すべてを知っているのは父親ですから、自分が死んだ時に想定される相続争議を見越してしかるべき財産分与の方法を講じておくのが、後に残されたものへの気配りといえるでしょう。
2001.03.07