[113]平成22年度税制改正(扶養控除)

2009年、鳩山政権に変わり、今年になって通常国会が始動しました。いよいよ新しい政権の実行段階となります。本国会では新しい税制も決まることでしょう。平成22年度税制改正で個人の所得税はどのように変わるのでしょうか、確認してみたいと思います。
個人の所得税は「収入」に課せられるのではなく、収入から一定の必要経費を差し引いた「所得」に課税されます。
しかし、その所得にもいきなり課税されるのではなく、さらにいろいろな控除があります。この諸控除を差し引いた残りに課税されるので、どの控除が該当するかで払う税額に大きな差が出ます。当然控除額は大きい方が税金は少なくてすみます。
鳩山政権では、この控除に大きな変化を予定しています。変化は大きいのですが、実質はそう変わらないといったところです。いやむしろ家族構成によっては増税になります。
その一番の役者が扶養控除です。
この扶養控除、「子ども手当」が支給される16歳未満については廃止されます。廃止されれば税金は増えることになりますが、その分「子供手当」が増えるので、戸別によって異なりますが全体的には差し引きゼロの様相です。
※子供が「特別障害者」にあたる場合は特別障害者控除を35万円を加算。
また、教育費のかかる16歳以上23歳未満については現行の特定扶養控除を廃止して一般扶養のみとなります。(平成23年分以後の所得税に適用)
この制度は、社会の財産である「子供」を守るという政策ですが、何のことはない、名目を入れ替えただけで、世帯によっては減収になります。また、子供のいない、あるいは成人した世帯では、大増税になるという仕組みになっています。本来ならば、扶養に関する控除は残したまま追加で子ども手当を配布すべきでしょう。
そもそも、子供を育てる環境というのは、インフラに投資すべきであり、戸別にばら撒いてもあまり効果はありません。それより、子孫繁栄の決め手は、安全に暮らすことができるか、食料があるかです。経済が安定して、お父さんの収入が増えれば、家族は増えます。これは自然の摂理であり、ゴキブリ等をみればまさにそのとおりです。彼らは子ども手当てなどもらわなくてもどんどん増殖します。
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