tax[155]相続と非課税額
死亡保険金や死亡退職金等の「みなし相続財産」を受け取った場合、それは相続ですから本来相続税の対象になります。
しかし、これらの生命保険金や死亡退職金は残された遺族にとって、これからの生活の大事な原資になります。そこで税法ではこれらのみなし相続財産について一定の部分については非課税としています。
生命保険金の非課税額=受取額-(500万円x法定相続人数)
死亡退職金の非課税額=受取額-(500万円x法定相続人数)
つまり、妻、子供など法定相続人が3人いた場合は1500万円まで、4人いた場合は2000万円まで無税となります。相続税はそれを超えた場合に課税されます。
【相続を放棄した場合】
この場合、法定相続人が「相続を放棄」したらどうなるか?
みなし相続財産は、相続を放棄しても、受け取ることができます。しかし、この場合は「遺贈」としての扱いになり「相続によって受け取った」とはみなされません。そうなると、上記の非課税の恩恵も受けられなくなります。相続の放棄は「最初から相続人ではなかった」とされる制度ですから正式な「相続の放棄」はよく考えて行なわなければなりません。
ちなみに遺贈とは、遺言によって自分の財産を無償であげることをいいます。遺贈を受ける人を受遺者といい、遺贈は受遺者の承諾を必要としないところが死因贈与と異なる部分です。受遺者は相続人でない人でもかまいません。また会社などの法人でも可です。受遺者は遺贈を放棄することもできます。
2003.12.24