tax[156]借金はどうなる?
相続においては実際にどれだけの手取りがあるかを算出しなければなりません。その計算をするには被相続人に完済していない借金があったかどうかを調査し、そしてそのマイナスの財産をさし引いて手取り財産を算出します。このことを税法では債務控除といいます。
債務には、買掛金や銀行ローンなどの借入金は明らかにそれとわかりますが、その他にも、生前支払うべき未払いの税金や、未払い医療費、他人からの借金や預り金、飲み屋のツケなども債務として控除の対象になります。
なお、被相続人が生前連帯保証人になっていた場合は、その保証債務は相続されますが、債務控除は相続時点で決定しているものに限られますので、保証債務の金額がたとえ100万円であっても、その金額を債務控除することはできません。
もう一つ債務控除として認められているものがあります。それは葬式費用です。
葬式費用は本来ならば被相続人の債務ではありません。死んだ後に発生する費用ですから。しかし、死亡後に葬式をするのは当たり前のことですから、税法では「その費用は初めから相続財産でまかなわれるもの」としているのです。
葬式費用は通常のものであれば全額債務控除になります。ただし、香典返し費用や墓碑・墓地の購入費や借入料、初七日や四十九日などの葬式日以外の法要費用、医学解剖や裁判上の処置に関する費用については控除になりませんので注意してください。
なお、葬式費用はお布施や読経料など領収書が取れない場合も多いですが、支払先、支払日、支払目的、支払金額をきちんと記録していれば領収書がなくても認められます。
2004.01.13