tax[022]短期譲渡所得
不動産を売却した時に売却益が生じた場合は「分離課税」により課税されます。
【分離課税とは?】 給与や不動産賃貸収入など通常の所得は、1年間の所得として全部合計し、その合計 額に対し累進課税方式によって課税されます。これを総合課税といいます。 これに対し分離課税は、取引によって生じた個々の所得に対し課税する方式です。 特に不動産の売買益は税収の増減を左右する重大な事柄なので、税務署も個別に監視 する必要があるわけです。こと不動産に関してはチェックが厳しいので脱税は無理と考えた方がよさそうです。 【短期保有物件と長期保有物件】 不動産の譲渡益の課税は上記のように分離課税されますが、その税率は短期か長期か によってまるで違います。短期の不動産保有には高い税率が、長期の保有には安い税 率が課せられます。 短期保有物件は、投機の意味合いが多く、取引自体が金もうけや土地転がしの元凶に なることから高い税率となっています。 長期保有物件は、居住用や事業の上で使用される設備投資の意味合いが強くなり税率 も安くなっています。したがって不動産を売却する時は、長期譲渡の適用が受けられ るように、売却時期を考慮する必要があるといえます。 短期譲渡所得 その年の1月1日における所有期間が5年以下である不動産の譲渡所得 所得税40% 住民税12% 長期譲渡所得 その年の1月1日における所有期間が5年を超える不動産の譲渡所得 所得税20% 住民税6% (※税率は原則) たとえば1000万円の譲渡益が出た場合、長期の場合は260万円の税金となるが、短期 では520万円もの金額になる。いずれにしても高い税金ではあるが、その差260万円は 大きい。 2000.4.20 |