[332]お中元

子供の頃、夏休みに田舎に帰るとマスカットオブアレキサンドリアという緑色のおいしい葡萄が食べられるのがうれしかった覚えがあります。今ではマスカットは珍しくありませんが、その頃の葡萄は種が大きい紫色の葡萄。これはあまりうれしくありません。とにかく緑色の大粒の葡萄がうれしかった。

このマスカット葡萄はおそらくお中元でもらったものと察します。お中元は7月15日までに贈るのが普通ですから、ということは夏休みに入っての葡萄ですから、昔はお中元はもっと遅くに贈ったような記憶があります。

関西では今でも8月のお盆に合わせてお中元は8月の15日までに贈る、というところもあるのですが、これのほうが夏休み・お盆・家族が集まる、という風習に合っているように思えます。

さて、お中元、という言葉があるのなら、上元、下元があるのか?というとこれがあるのです。

もともとお中元は中国の道教の教えの三元から来ています。三元とは、上元(じょうげん)、中元(ちゅうげん)、下元(かげん)の3つの行事の総称です。

上元は1月15日
中元は7月15日
下元は10月15日

共に15日は満月なので、これを目印に行事を行ないました。上元は日本では小正月として認識されていますが、上元の行事は特に行なわれていません。10月の下元に至っては何の行事もありません。しいて言えば農耕社会の収穫祭がこの時期を中心に行なわれています。

日本で定着したのはお中元のみ。お中元は盂蘭盆会と重なり、親が生きているうちに感謝の意を込めて贈り物をする、というのがルーツのようです。それから派生して、お中元は尊敬の意味を込めて親そして目上の人に贈り物をする風習になりました。

2000年以上の歴史を持つ純粋種甘くて上品な味わいが絶品!!岡山県産マスカット・オブ・アレキサンドリア

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