第66回 人間ドック

2018年10月25日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。先日、人間ドックなる物に行ってきました。薄っぺらい着物を着せられ、いろいろな検査をしてきました。

検尿や採血、目の検査、体重、身長、心電図にレントゲン、エコー検査、短い時間で沢山の検査を行いました。この日、生まれて初めて行う検査がありました。内視鏡検査です。

胃カメラを飲んで、お腹の中を見るあれです。噂に、辛いと聞いていた内視鏡検査がどんな物なのか、ある意味楽しみでこの日を迎えていました。

いよいよ内視鏡検査の始まりです。肩に筋肉注射を打たれ、薬を飲まされました。その後、喉の麻酔と言われ、液体を五分間喉にためておくように指示され、ジッと時がくるのを待ちました。

上を向いたまま、液体を喉にためていると言う態勢、かなりの辛さでした。そこで、看護師の人から内視鏡検査について説明を受けました。

それは、注射をして、意識をボ~っとさせてるうちに検査をしてしまう方法があるが、行うか?と言う質問だったと思います。どんな液体を注射されるか怖かったので、拒否をしました。

ベッドでもドクターから同じ説明をされ、注射を打つように促されました。何でもこのドクターは、内視鏡検査の権威らしく、この方法で内視鏡検査の恐怖を取り除く会の会長でもあるそうだ。

しかし、ここでも頑に注射を拒否し、麻酔なしで胃カメラを飲む事にしました。

さあ、いよいよ初胃カメラです。左側臥位をとりパイプをくわえさせられます。喉にチューブが入ってくるのが分かります。「はい、飲み込んで!」そう言われたので、ゴクッゴクッと2回飲み込みました。「オエ~オエ~」とても辛い嗚咽が襲い、噂通りだった胃カメラの辛さを痛感したのでした。

「あら~良くないな~。終わってからここは説明しようね。」遠い意識の中、ドクターの声が聞こえますが、何か悪い事があるのかという事よりも、始まったばかりのその責め苦が早く終わって欲しいと祈る自分がいるのでした。

お腹が張って行くのを感じ、幼い頃に蛙の肛門にストローをさして空気を入れた事を思い出しました。蛙のお腹は大きく膨らみ、友達とその蛙の姿に興味津々だった光景を思い出し、あの時の蛙は、もっと苦しかったんだろうなぁと懺悔の思いでいっぱいでした。

チューブは食道を抜け、胃に達しました。もし、ここで嘔吐したくなったり、ゲップが出たらどうしよう?そんな気持ちが自分に焦りを生み、パニックを起こさせました。呼吸は荒くなるものの、鼻からしか酸素を吸えない。していた腹式呼吸はいつの間にか短い呼吸に変わってしまっていました。

チューブが十二指腸に達した時、その苦しみは最大になりました。常々襲われていた胃痛の何倍もの痛みが自分に襲いかかってきます。しかし、声は出せず、動く事も出来ません。これって、軽くSMの世界です。とてもマゾ的な羞恥を感じながら、早く終わって欲しいと祈る自分がいました。

胃から水が抜かれ、チューブが口から出てきました。もう、何もする気力もありません。きっともの凄いアドレナリンが分泌されたと思われ、世の中が怖くないという錯覚が自分を支配していました。胃カメラに恐怖したばかりだと言うのに。

十二指腸潰瘍、神経性胃炎、食道列孔ヘルニア、逆流性食道炎と診断されました。ホームの利用者にも、逆流性食道炎の方がいらっしゃり、その方の顔を思い浮かべました。きっと食事なんて美味しくなかったのだろうなぁと、ここでも懺悔の気持ちを持ち、人にやさしくしなくてはいけない使命感と、ストレスを噛み締めるのでした。

初人間ドックでしたが、軽度のうちに病気が見つかってホッとしています。皆様も、ストレスには注意し、上手く解消出来るよう祈っています。

2004.07.09

永礼盟