第91回 特養派とホーム派

2019年3月16日

こんにちは、永礼 盟です。ご購読ありがとうございます。今回は、職員間の話をさせて下さい。

ホームの中に派閥があります。真っ二つに割れているのです。大まかに分けて、特養派とホーム派。仕事が早く、要領がいいタイプが特養派。業務よりも、利用者とのコミュニケーションを大事にする老人ホーム派。この二つの派閥がいがみ合っています。噂に聞いていた事。直接職員から聞いた事。実際に自分の目で見た事。少しずつ見えて来ました。

特養派とは、介護職的に見て仕事が出来るタイプの様に感じます。見ていて本当に無駄がない。常に何かこなしています。そして早い。要領が良いと言うのが一番解りやすいと思うのですが、動きに全く無駄がないと感じます。そして知識が豊富であると言う事も言える気がします。薬の知識、対応のレパートリー、専門用語、見ていて全く隙がないのが特養派です。

ホーム派とは、業務の早さや知識にとらわれず、利用者に合わせたケアを行いたいと言う輩です。例えば家事援助。掃除は、隅から隅までしっかりと行う。洗濯では、一枚一枚丁寧に扱う。洗濯機や乾燥機の扱い方にもうるさいです。食事に関しても、その人に合わせた食器を使う等、業務に流されず利用者の事を思いながらケアをするのがホーム派です。

私に色々教えてくれる先輩方も言っている事ですが、どっちも必要な要素なんです。しかし、どちらもいがみ合って歩み寄らないのが問題なんだと教えてくれました。

私は、特養派の姿勢に少し賛成なんです。これを見ると、ホーム派の姿勢の方が正しい様に感じますが、一緒に仕事をしてそこはまずいんじゃないかな?と思う事も見受けられます。

利用者にペースを合わせれば、当然業務が遅くなります。我々は一人の利用者だけを見てる訳ではありません。しかし、接している利用者には1対1でなければならないと思います。私が見て思った事は、特養派はチームプレイをしていると言う事。そこで一緒のフロアで特養派とホーム派が仕事をすると、どうしても特養派から突き上げを喰らってしまうようです。

特養派は、時間で自分は何をしなくてはいけないかを良く理解してると感じます。本当に無駄がなく、仕事が早い。しかし、ここは老人ホームです。もっとゆったりとした空間であって良いのではないか?と言う所から、業務をまわす事ばかり考えず、利用者を向こうよと言う方向に変わって来ているようです。

どちらも大切な要素。何か中和剤の様な物があれば、お互いが歩み寄れる様な気がするのですが、現状を見るとそれは難しそうです。

2005.02.11

永礼盟