第0回-“介護”について考えたきっかけ
まず現在30代前半、どちらかと言えば若い部類に入る私が、なぜ今回“介護”についてのマガジンを書こうと思ったか、お話しさせてくださいね。
直接的なきっかけは、やはり両親の存在です。私の父は、要介護2の認定を受けています。現在実家で、母が介護しています。軽い脳梗塞の影響で、今は家の中でも車椅子の生活です。
近頃、母が私に愚痴を言ったり、弱音を吐くようになりました。母はまだ58歳と若いです。けれど自分の体重の倍近くある父を介護するのは、かなりしんどいようです。なにせ父は90キロの巨漢なのです。かと言って子供たちには家庭があるのだからと、遠慮が先にたってしまうようです。ですが、このままでは母が先に倒れてしまうのではと心配です。
そうなってしまう前に、なにをすべきか。介護についての基礎知識や、心構えなど、考えれば知らないことだらけです。そこで、自分がここで皆様に情報としてお伝えする内容を、調べ勉強する事で、その答えを見つけられるのではないか、また同じような立場の方、介護のプロの方から色々な意見を伺うことが出来るかもしれない。そういう気持ちで、このメールマガジン作成に踏み切りました。
介護初心者の私です。プロの方や、現在介護真っ最中の方には、情報的に満足いただけないかもしれませんが、このマガジンと共に成長していきたいと思っておりますので、温かく見守っていただけたらと思います。
◇今週のテーマ〔老い〕について
歳を取ると、人の体はどう変化する?〔老い〕について考えてみましょう。
人は誰でも、確実に歳を取ります。私も30年後、40年後は、りっぱな(?)高齢者の仲間入りです。歳は取りたくないわね~、なんてよく言いますが、歳を取ると、具体的にはどうなるのでしょう。
まず見た目。
腰が曲がって前かがみの姿勢になる。しわや白髪が増えたり、歯が抜ける。髪が薄くなる場合もありますよね。
では、外観以外は?
身体的な衰え。例えば運動機能が落ちるので、動作が遅くなる、筋力が弱くなるなど。感覚的には、耳が遠くなったり、視力が落ちてきたり、痛みなどの感覚も鈍くなったりします。内蔵機能も低下します。例えば胃腸機能が衰え、食べたものの消化吸収もしにくくなる。免疫力が弱くなり色々な病気に感染しやすくなったりします。
さらに、このような身体的な衰えに加え、仕事を引退したり、子供が独立したりといった生活環境の大きな変化で、不安になったり、孤独を感じて、精神的にも病んでしまう場合もあるでしょう。
ただ、運動能力の低下のせいで、動作が鈍くなったり、耳が遠くなったりというのは、これから歳を重ねて、いわゆる高齢者になる若い世代には、いまいち理解しにくかったり、ついイライラして責めてしまったりということもあるかも知れません。個人差が大きいので一概には言えませんが、何よりも大切なのは、高齢者を取り巻く家族の理解だと思います。
避けては通れない〔老い〕。そして、誰もが介護する側、される側の立場に立つ可能性があるのです。そうなった時、ただ命を永らえるためだけの介護ではなく、お互いにより良いスタイルを見つけられたらいいですね。
2004.12.06