オンラインでお買物

米国マーケティング協会の定期刊行物の最新号を見ると、すべての記事がインターネットに関するものです。春頃にはインターネットという媒体に懐疑的な記事やテレマーケティングの記事もあったのに比べると大変な違いです。日本でもパソコンの家庭への普及率が5割を越し、ブロードバンドの普及と相俟ってインターネットという媒体が重視されているのではないでしょうか。

 私がインターネット通販を活用し始めたのは昨年春起業してからです。365日仕事をしており、手がわりのない私としてはネットで比較調査して買い物ができるのは時間のセーブと同時に楽しみでもあります。上記の米国マーケティング協会の定期刊行物ももちろんネット上から購読申し込みをしましたが、海外での買い物も気軽にできるのもネットという媒体ならではです。

 私は名刺を浜松にある名刺屋さんに依頼しているのですが、名刺の持つ意義を十二分に理解されていること、また担当の方が夜遅くでもきちんと対応してくださること、私はメールですぐいろいろな感想やらお礼を書いてしまうのですがマニュアルではない心のこもったお返事を下さるのにいつも感動しています。

 また、あるデパート系の通販で私がずっと探していた商品に似たものがあったので、ひょっとして取り扱っていないかメールで詳細を書いて問い合わせたところ、担当の方がわざわざ調べてくださり、「当社では扱ってはおりませんがこちらに問い合わせてはいかがですか」とメールアドレスを教えてくださったことがありました。この親切心にも頭が下がりました。

 約30年前のステレオをどうしても修理したくてメーカーのカスタマーセンターに状況を書いてメールで問い合わせたところ、何と部品があり、2000円足らずで思い出のステレオがよみがえり奇跡を見た思いがしました。

 海外から化粧品や雑貨を取り寄せてもらう場合などは現地側のミスで中味が違っていたり、伝票が間違っていたりすることがありますが、迅速で丁寧な対応をされるとトラブルがあったにもかかわらず次もまた注文しようという気持ちになってしまいます。

 これは買い物ではありませんが、株主優待として書物をくださる企業があります。とても良いものだったのでお礼のつもりである著名なオンラインの本屋さんの書評に投稿をし、なぜかその日から売上ランキングが急上昇しました。そのことをメールでその企業のIR担当へ伝えました。返事はすぐ来たものの、「株主優待商品に対するご意見ありがとうございます」というようなワンパターンのものでした。こんな頓珍漢な対応に企業イメージが下がったのは言うまでもありません。

私自身がものを書いているせいか、いただいたメールを見ただけでどんなお人柄かあるいはどんな精神状態にあるか手に取るようにわかります。大企業は立派なコンピューターシステムやマニュアルに依存しがちです。真心や熱心さの伝わって来る中小企業を見つけてはつい応援したくなる今日この頃です。

2001.12.27

河口容子