[109]減価償却費の償却方法を選んで節税

企業会計において固定資産の減価償却費の計算は、各資産ごとに定められている耐用年数に基づいて、定率法または定額法によって償却することになっています。
定額法とは、耐用年数が5年ならば取得価額の90%を償却対象額とし、均等に5等分した額が減価償却額です。定率法は一定の割合で毎年償却するものです。
平成10年4月1日以降に取得した建物は定額法以外には選べませんが、それ以外の固定資産は定率法、定額法どちらかを選ぶことができます。
定率法は初期の償却額が大きく、年々減っていきますので、安定した利益を出している場合には、初期に大きく償却できる定率法が、節税に有利でしょう。
利益があまり出ていない企業や、繰越欠損金を引きずっている会社は定額法が無難かもしれません。
耐用年数5年のトラック(自動車)500万円を定率法で償却
1年目1000万円x0.369=369万円
2年目(1000万円-369万円)x0.369=233万円
3年目(1000万円-369万円-233万円)x0.369=147万円
4年目(1000万円-369万円-233万円-147万円)x0.369=93万円
5年目(1000万円-369万円-233万円-147万円-93万円)x0.369=58万円
合計償却額 900万円
定額法の場合は毎年同じ180万円が償却額となります。
1000万円x0.9÷5年=180万円
合計償却額 180万円x5年=900万円
トラック(自動車)の場合は、耐用年数5年のうち、1年目と2年目の償却額が大きいので、利益があればその分損金計上できますので、税金が減少します。
5年間のトータルでは減価償却額は結局同じですが、初期のうちは償却額が大きくなる定率法がキャッシュフロー上有利になります。
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