tax[163]災害減免法と雑損控除

2013年5月28日

今年は秋深くなっても大型の台風が複数やってきたり、後を押すように新潟では地震があったりと大変な一年となりました。世間では年末調整の時期となり年が明ければ確定申告となります。災害に遭われた方は少しでも出費が少なくなるようこの時期から災害に関する節税をされるようお勧めします。

災害に遭ったときに税金が安くなる制度には二つあります。災害減免法による所得税の軽減措置と、雑損控除にする方法です。どちらがより多くの節税になるかは所得金額と損害の額によります。一概にどちらがいいとは言えませんので自分の例に照らして決めてください。

まず、災害減免法ですが、この制度を使うには所得が1000万円以下でなければなりません。所得とは年収から給与所得控除額を差し引いたものです。これが1000万円以上の場合は雑損控除を利用するしかありません。

所得が1000万円以下の場合は、災害減免法を利用するか、雑損控除にするか思案のし
どころです。

災害減免法を適用する条件は以下の通りです。

・災害によって住宅や家財に損害を受けたとき
・災害のあった年分の所得金額が1000万円以下
・災害によって受けた損害額が住宅又は家財の2分の1以上
・雑損控除の適用を受けていないこと

※家財には30万円を超える贅沢品は含むことが出来ません
※生計を共にする配偶者、家族の住宅家財を含みます

これらを満たせば災害減免法による減免が受けられます。

減免額は所得により区分されています。以下に示します。

所得500万円以下 所得税全額免除
500万円超750万円以下 二分の一
750万円超1000万円以下 四分の一

災害減免法は税額そのものを減じる制度で、比較的所得の少ない人に有利な制度といえます。

次に雑損控除による節税ですが、こちらは雑損価額を評価する必要があります。また自然災害のみならず盗難横領などの被害にも利用できる制度です。

控除の仕組みは、まず損害額を算出し、損害保険金などの補填金がある場合はそれを差し引きます。そこから所得金額の10%を差し引いたものが控除額になります。

あるいは損害額から保険金の補填を差し引いた額のうちの災害関連の支出からそこから一律5万円を差し引いた額が控除額になります。どちらか多い方を控除額とすることが出来ます。またこの雑損控除は3年間繰越することも出来ます。

いずれにしても所得額によって減免される控除額は変動しますので、被災地の方は所轄の市役所の税務課もしくは税務署に自分の場合についての相談をされることをお勧めします。

災害減免法も雑損控除も平成17年3月の確定申告で行ないますので、今から準備しておきましょう。

2004.11.27