tax[133]サラリーマン特例
かつてサラリーマンとは必要経費が認められないトホホな稼業といわれていた時期があります。しかし、じつはサラリーマンにも必要経費が認められています。それが何を隠そう給与所得控除です。
所得税を自分で計算したことがある人なら、実際の支給額と課税額が違うことに気が付きます。もちろん課税対象額のほうが少ないです。実際の支給額と課税対象額の差は給与所得控除として一律ですが定められていて、これがサラリーマンの必要経費に対する控除とされるものなのです。
・給与の収入金額と給与所得控除額
180万円以下…収入金額×40%「65万円以下の場合は65万円」
180万円超360万円以下…収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下…収入金額×20%+54万円
660万円超1,000万円以下…収入金額×10%+120万円
1,000万円超…収入金額×5%+170万円
この計算式で仮に500万円の収入の場合は154万円になります。この154万円のなかで背広を買ったとすれば、サラリーマンの象徴である背広代はあ必要経費とみなすことができます。
これだけでは物足りないという人には「特定支出控除」という制度もあります。これは給与所得者が特定の支出をした場合に給与所得控除額を超えたときはその超える金額が給与所得控除後の金額から差し引ける制度です。
この特定支出は以下のもので、かつ会社から証明されているものに限定されます。
1.一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
2.転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの
3.職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的とした研修を受けるための支出
4.職務に直接必要な資格を取得するための支出
5.単身赴任などの場合で、勤務地と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの
ただし平成12年分の場合、この制度を利用したのは全国でたったの7名でした。この特例は「給与所得控除額を超える部分の特定支出額を控除するもの」であり「給与所得控除後の金額からさらに特定支出分を差し引ける」ものではないことに原因しています。勘違いしやすいですね。
なお、この特定支出控除を受けるときは、年末調整ではなく確定申告をする必要があります。ちょっと面倒ですが該当者は利用してみると良いと思います。
2002.10.24