tax[181]平成17年度税制改正(3)
~定率減税の縮減~
今回の税制改正で一番の注目はこの「定率減税の縮減」でしょう。実質的な増税になりますから。
定率減税とは平成11年以降、景気対策のための臨時異例の措置として継続されてきた減税です。これが今までの減税額の2分の1になるというわけです。
減税されることには変わりありませんが、その減税額が減る、ということになります。
縮減の理由は、当時の定率減税導入時と比較した経済状況から比べ、改善したという事実があること。もう一つは小泉内閣の目指す三位一体改革の実現のため、所得税(国税)から個人住民税(地方税)への本格的な税源移譲が控えていることがあげられます。平成18年度税制改正においては国・地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを展望しつつ、改正されたものです。
改正前と改正後の控除率と控除額の変化は以下の通り
所得税:控除率:現行20%⇒改正後10%
所得税:控除限度額:現行25万円⇒改正後12.5万円
個人住民税:控除率:現行15%⇒改正後7.5%
個人住民税:控除限度額:現行4万円⇒改正後2万円
これは700万円の給料収入がある家庭の場合、平成17年度負担額は377,000円となりますが縮減後の平成18年度負担額は418,000円と41,000円の増額になります。
適用時期は所得税については平成18年1月から、個人住民税については平成18年6月徴収分から適用となります。
2005.07.05