クルマのエンジンは中でガソリンが燃えてます。当然回転数を上げればガソリンの燃える量も増え熱くなります。その為、エンジンは冷やさなければなりません。冷やさなければピストンが焼き付いて動かなくなってしまう。エンジンを冷やすにはいろいろな方法がありますが、大きく分けると空冷式と水冷式があります。
空冷式は昔のフォルクスワーゲンビートルやポルシェ911などが採用したいたエンジン。トヨタのパブリカ(スターレットの原型)も空冷でした。というより、昔はバイクのエンジンを改良してクルマに乗せた為ほとんどが空冷エンジン。
空冷エンジンは、走っている時の空気をエンジンに当てて冷却するシステムでエンジン自体を小型にできるメリットがありますが、エンジン音がうるさい、走っていないと冷えないので渋滞に弱い、オイルを食う、ヒーターが効かないというさまざまな欠点があり、今のクルマではほとんど見られません。
水冷エンジンはエンジンの回りにウォータージャケットをめぐらし、水を循環させてエンジンを冷却するシステム。エンジン自体は重くなりますが、冷却効果が高いこと、エンジンの回りを水のジャケットで覆っているのでエンジン音が静か。それが幸いして今のエンジンの主流となっています。ヒーターもこの温水を利用しています。
バイクの世界では、空冷は今でも健在。バイクは軽量であることが重要なポイントとなるからです。軽さを求められるスポーツバイクには空冷エンジン、重量級のグランドツアラー的バイクでは水冷が主流です。
このほかバイクのエンジンには油冷エンジンというものがあります。スズキが採用したエンジンで、水の代りに冷却したオイルを循環させる方式。空冷級の軽さと水冷級の出力を兼ね備えた高性能なエンジンです。油冷エンジン自体はは新技術ではなく昔からある技術で、アメリカやドイツの戦闘機のエンジンに使われていたもの。
もっとも空冷エンジンも水冷エンジンもオイルが無ければ焼き付いてしまって使い物になりません。そう言う意味ではオイルも冷却水と同じ位重要な冷却媒体なのです。