ターボチャージャーは加給器の一種で、エンジン内に圧縮した空気を送り込むことでより大きなパワーを得ることができる機械です。
ノーマルエンジンが回転する際、シリンダー内のピストンが下がってそれに伴いポンプのように空気を吸い込みます。したがってそのシリンダーの容量が500ccとすれば吸い込まれる空気の量も500ccです。この空気の量を圧縮して例えば1000cc送ることができれば実質的に倍の容量のエンジンと同じように力が出るようになります。
ターボチャージャーは、排気ガスを利用してタービンを回し、その力を利用してコンプレッサーを駆動し空気を圧縮してエンジンに送ると言うわけです。排気ガスを利用するので力のロスが無く、簡単に高性能を得ることができるので人気があります。
ただし欠点もあります。空気をたくさん送りますから、同時に燃料も同じようにたくさん送ります。結果、燃費はあまりよくありません。より大きなエンジンを回しているのと同じですから燃費が悪くなるのは当たり前ですね。
空気を圧縮すると空気の温度が上がり燃焼しづらくなります。そのためにエンジン内に入る前にその空気を冷やすインタークーラーを装備しているのが普通ですが、ターボ車はこれらの補器が多くなりメカ的に複雑になるというデメリットがあります。
また、タービンを高速で回す必要があり、それにはある程度排気ガスが勢いよく出てくる必要があります。ですからターボが効き始めるのがアクセルを踏んで、それから、ということになりますので、どうしてもタイムラグがあります。すばやくギアを切り換えたいマニュアル車ではターボはかえって運転しづらいものになることもあります。
タービンの感度を良くして低速から高速まですばやく加給するターボチャージャーも開発されていますが、基本的にターボチャージャーは山道をかっ飛ばすライトウェイトスポーツカーではなく、高速をゆったり飛ばすグランドツアラー向きの装備であるということができます。とはいえターボ車はぶんぶんエンジンが回るので元気の良い走りをしてしまいますが。
そういう理由で、中古車を買う時は逆にターボ車は避けたほうがいいといえます。ターボ車で10万キロを超えている場合は、エンジンの寿命が近いことが多いのです。