30年位前はプラグといえば車検のたびに取り替える消耗品だったものですが、今では耐久性が増し、10万キロ走っても交換不要という時代になりました。しかし、クルマの性能をより上げるには、スパークプラグはお手軽なチューンナップ方法なので、是非お勧めしたいと思います。
その前にスパークプラグの役割を説明しておきます。
ガソリンエンジンの場合、気化したガソリンと空気を混ぜてエンジンのシリンダーの中で圧縮し、一番圧縮されたところで、スパークプラグに電気を流して火花を飛ばし、着火して爆発させます。この爆発力ピストンを押し上げ、エンジンのパワーとなるわけです。
その点火の役目を担うのが、スパークプラグ。エンジンの頭頂部にねじ込んで使いますが、その中心のあるのが電極。この電極にイリジウムを使ったものが高性能でおススメです。
プラグの中心電極は太いとすぐに冷却されてしまうため着火性が悪くなります。そこで中心電極を細くする必要があるのですが、イリジウム電極は直径0.4mmと細くできておりなかなか冷却されない構造になっています。冷却作用が極めて小さいため熱が奪われにくく、プラグの基本性能ともいえる確実な着火が可能となっているのです。
また着火性の向上には、火花が飛んでガソリンの引火した時点でできる火炎核を大きく成長させることが重要なポイントです。この火炎核は電極のギャップを広くすることで大きくすることができるのですが、間隔が広がると同時に失火の原因ともなります。そこで、接地側電極に溝をつけるなどの工夫をして、飛火電圧は低く保ったまま、強力な火炎核を作る構造になっています。
10万キロ無交換を実現したのはプラチナプラグの登場のおかげですが、性能からするとイリジウムプラグのが上です。しかし高性能な分寿命はプラチナプラグより短いものでした。最近の製品では中心電極にイリジウムを使い、接地側電極にプラチナを使った超寿命プラグも発売されています。
イリジウムプラグの価格はおよそ1300円くらい。4気筒の場合は4本。6気筒の場合は6本必要ですが10万キロ持つと思えば安いもの。パワー増強、燃費向上にイリジウムプラグを試してみてはいかがでしょうか。
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