30年くらい前まではクルマのメーターといえばスピードメーターが中心的存在でした。ファミリーカーの場合それに燃料計、水温計がついて、もう片方は大きな時計がついていました。今ではデジタル時計が主流ですが、大きなアナログ時計は見やすくて結構便利していたものです。
時代がポルシェやフェラーリなどスポーツカーに注目するようになると、今度はタコメーター(エンジン回転計)が注目されてきます。今まで中心であったスピードメーターはタコメーターと2連でコクピットに鎮座するようになります。ポルシェは真ん中にタコメーターがあってこれがカッコよかったですね。ちなみにレーシングカーはタコメーターは中心的存在ですがスピードメーターはありません。サーキットを走るにはスピードメータは必要なく、エンジンを限界ぎりぎりまで回す為、タコメーターとにらめっこで走るのです。限界以上に回すとエンジンが壊れてしまうからです。
長い間、メーターといえばドライバーの正面コクピットが定位置でしたが、最近のトヨタ車はメーターをインストルメントパネル上面中央に配するようになってきています。トヨタではこれをセンターメーターと呼んでいます。
センターメーターの良いところは視線移動が少ないこと、また同時に焦点移動も少ないので大変見やすいということです。
従来型のメーターを視認する場合、時速80kmで走っているとその間約22mも走ってしまいこの間は前方道路を見ていませんから大変危険です。センターメーターは前方を見ている視角にメーターが入るため、目を離さずにスピードが確認できるメリットがあります。つまりメーターも景色の中にあるというわけです。メーターも大きく明るいデジタルメーターを使用して視認性も非常に良いです。
だいぶ前にデジタルメーターをフロントガラスに反射させ、焦点を正面フロントガラスの奥に画像を結ばせて、メーターの数字を確認させる技術がありましたが、同じ車種でも上級車にしか装備されていなかったりオプションであったりすべての人が恩恵を受けるものではありませんでした。
しかしトヨタのセンターメーターは最初からその位置にあるのでその車種を買えばだれでもその恩恵に預かることができます。そしてトヨタではほとんどの新車にセンターメーターを採用しつつあります。最近では三菱自動車なども追従してきていますがこういう装備の採用は安全面で大歓迎です。、
ところで、センターメーターはトヨタの専売特許というわけではなく古くからミニやワーゲン、ルノーなどに見ることができます。やはり欧州老舗は凄いですね。