第6回-できる事は自分で
まだまだ寒い日が続きますね。
春の訪れが待ち遠しい今日この頃。皆さん、お元気ですか?
前回、前々回で私の実父の例をあげて、トイレについて触れてみました。
結局のところ我が家は、現段階ではポータブルトイレで落ち着いた日常を取り戻す事ができたわけですが、その後幾つかのサイトをのぞいて見て、介護をしていく上で忘れてはならない事があるのを知りました。
例えば、排泄のことに限って言えば、頻繁に失敗してしまう場合や、尿意・便意自体を感じない場合は、オムツにする必要がありますが、そうなった場合も心身の状態を考慮しながら、外す努力を忘れない事が大切だという事です。
オムツを使用する事で、寝たきりになったり、痴呆が進んだりする可能性もあるのだそうです。
体が不自由だから、高齢だからと、身の回りの事に人の手を借りるようになると、自分でできる事もしなくなり、場合によっては状態をより悪くしてしまうという事です。
たとえ手や足が不自由であっても、できる事は沢山あります。
年配の方には、こんな感じのご夫婦多いのではないでしょうか。
「お茶」「新聞」「灰皿」と、一言言えば物が出てきて、一家の大黒柱は茶の間であぐらをかいている。風呂から上がれば、着替えは一式そろえてあり、指定席に座れば、当たり前のようにお茶、風呂上りならビールが出てきて、必要なものは手の届くところに置いてある。
お互いが元気なうちは、それでも良いかもしれません。
しかし介護の場面に関して言えば、自分でできる事は自分で、と言うのが鉄則です。
かゆいところに手が届く、と言うと聞こえは良いかもしれませんね。
ですが、それでは要介護者は、自分でできる事も面倒になり、やってもらうのが当たり前になってしまうでしょう。
人間楽な事にはすぐに慣れてしまいます。
何もする必要がないのなら、何もする気にならない。意欲も気力もなくなって…という恐れがあるのです。
ここでは、家族の方の接し方も大切になってくるでしょう。
でも人のいう事を全く聞かない人っていますよね。
実は父がそうです。
誰が何を言っても聞く耳を持ちません。
全く何をする気にもなれないらしく、リハビリも現在中断した状態です。
母や私、ケアマネージャーの方の話も、聞いているのかいないのか、目も合わせずに頷くだけで、周りの者は手を焼いています。当の本人はそんな事お構いなしですが。
今後、どうやってリハビリを再開させるかが、我が家の大きな課題になっています。
せっかく介護保険があるのに、父のようにディサービスや訪問介護などを利用するのに抵抗を感じてしまう方も多いようです。
こういった問題についても後々取り上げていきたいと思います。
渡部紗也
2005.03.13