第100回 桜

2019年3月16日

こんにちは、永礼 盟です。ご購読ありがとうございます。

四月は、利用者と接する機会が沢山ありました。シフト上で、散歩の時間が設けられていたからです。今まで職員と上手く付き合う事ばかりに意識が向いていた事もあり、とてもいいチャンスに恵まれたと感じています。

季節は春。調度ソメイヨシノが咲き乱れる頃合いに、散歩にお連れする事が出来ました。初めてのシフトで手探りでのトライだったのですが、車を使って遠出するよりも、ホームの近くに数名の利用者をお連れする事を心がけました。

数ヶ月忘れていた感覚を思い出しました。リラックスした空間で、お互いの壁がなくなって行く感じを久しぶりに味わいました。得体の知れなかった私に質問をぶつけたかった方も多々いらっしゃったようで、普段できない会話を楽しみました。私は、この人はこんな性格だったんだと言う驚きや、嬉しさや、沢山の感動を味わい、利用者の方は、私が一体なんでここに存在しているのかを質問されてきます。

なんとなくお互いの距離感が近くなった頃に、桜咲く水上公園へ到着します。大きな桜の木が何本か立っているのですが、その中の一本派満開の花を咲かせ花吹雪を吹かせています。その吹雪の中、どなたも声をなくし、その光景に心奪われていました。

15名程の利用者と接する事が出来ました。それからは、普段のサービスもなんとなく近い距離で接する事が出来ているように思います。

恐いのは、自分だけじゃないんですよね。人間と人間がを取ると言う事は、自分と相手があると言う当たり前の事を改めて感じました。その距離を少しずつつめて行く事が、会話でありコミュニケーションなんだと思い知らされました。当たり前なのに、こんな事がないと思い出せない事を情けなく思うのでした。

それにしも素晴らしい花吹雪でした。沢山の事を教えてくれ、思い出させてくれた今年の桜に感謝です。

2005.04.28

永礼盟