[75]領収書の改ざん
会社の利益が出てくると、何とか費用を水増ししてその利益を埋めたいと考えるものです。そして、最初に考えるのが「領収書の改ざん」です。領収書の数字を書き換えて、支払い金額の水増しを考えるわけです。
一番多いのは領収書の領収金額の頭に数字を加えて水増しする方法。通常、領収金額の頭には「¥」や「金」がありますが、その右側に間隔が空いているとこういった邪心が芽生えるようですね。
この場合、書き加える数字はほとんどが「1」。いっそ「9」でも加えたら豪快ですが「1」というところが脱税の初心者らしいところでしょうか。また途中の数字の「1」に「レ」を加えて「4」にする手口も常套手段。
でも、そんなところは税務署の調査官もまず見るところ。彼らはプロですから、筆跡の違いや数字間の微妙な不自然さ、インクの色の違いなど一目で違うと察してしまいます。
また、昔はこういったことをうまくやればなんとかごまかせた時代もあるようですが、今は領収金額に消費税が含まれています。ということは合計金額が「105」で割り切れないとこれまた不自然。(2006年8月現在消費税率5%)
たとえば、250,000円の金額に対する消費税は12,500円。これを加えた領収金額は262,500円になります。この頭に「1」を加えて1,262,500にすると、これは「105」で割り切れません。これは怪しいということになるわけです。途中の金額の「1」を「4」に書き換えてもまず割り切れなくなります。
こういった領収書の改ざん行為はプロの調査官から見ればバレバレなので絶対にしてはいけません。こんなつまらないことで一度度怪しいと思われたら、長年にわたってとことん追求されることとなってしまいます。
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