tax[177]個人事業と税金[6]個人事業主から法人へ

2013年6月2日

個人事業主から会社組織へ変更することを通称「法人成り」といいます。法人へ変換することで様々なメリットがあるのですが、利益も無いのに法人化すると逆に負担が多くなります。ターニングポイントとしては年商で3000万円を超えるようなら法人化したほうがメリットを実感できるでしょう。

個人事業から法人化するには、それなりの初期投資が必要です。定款の作成や登記にはお金がかかります。また何よりも資本金が必要です。最近では一円で会社が出来る方法もありますが、事業を継続するにはやはり適額の資本金は必要です。有限会社の場合、設立するためには約30万円の設立費用と300万円の資本金が必要です。また赤字の場合でも法人事業税の均等割7万円が掛かります。

それでも税金面で個人事業と法人どっちが得かと考えた場合、やはり法人の方が得でしょう。それは給与の扱いが全く違うからです。

個人の事業所得として計算した場合、利益全額に税金がかかります。しかも累進課税です。法人にすれば役員の給与は給与所得として所得税を納める方が、給与所得控除額がある分だけ必ず得になります。つまり、給与を調整して法人の所得を0にしてしまえば、法人税がかからないようにすることも可能なのです。

しかしながら節税対策もさることながら、法人成りは事業をさらに拡大していこうとするスタンスでメリットがあります。なにより会社組織にすることで社会的信用が絶大なものになるからです。

  1. 資金調達や融資が容易になる
  2. 株主出資者の責任が有限である(有限会社、株式会社の場合)
  3. 対外的信用面で有利
  4. 社会保険に加入できる
  5. 各種助成金を有効利用できる
  6. co.jpドメインがとれる

などが法人成りのメリットいえます。

2005.05.03