ブレーキには、ディスクタイプとドラムタイプとがあります。ディスクタイプは車輪についた円盤状のディスクを両側からパッドで挟み込むタイプ。効きはじめは弱いですが、熱や水に強く、高速からのブレーキングにも安定した力を発揮します。クルマの制動に関しては前輪に対する役割が大きいので、前輪にはディスクブレーキが望ましいです。
ドラムブレーキというのは、円筒状のドラムの内側面にライニングという部品を外側に開いてこすりつけることで制動力を得るブレーキのことです。踏み込む力が弱くても効きますが、熱や水濡れに弱く、急に効いてしまうなど、効きが安定していません。安いコストで作られるので、大衆車に良く使われています。
最近のクルマはスポーツ走行を意識したものが多く、だいぶ4輪ともディスクブレーキを装着したものが増えてきました。しかし、グレードの低いものに付いては後輪をコストの安いドラムブレーキを装着したものもかなりあります。通常走行にはほとんど影響がありませんが、安全にこだわるのなら4輪ともディスクブレーキを装着したものを選びたいものです。
軽自動車やトラックの中古車には、4輪ともドラムブレーキを装着したものもありますが、これなどは危険を感じる時があります。雨の日にちょっと強く踏むと簡単にタイヤがロックしてしまう。ロックしてしまうと、ハンドル操作が全く効かなくなりますからクルマがどこに行ってしまうかわかりません。大変危険です。少なくとも前輪だけはディスクブレーキは必須だと思います。そう、ブレーキは効くだけではなく、制動力を高めながらもロックさせないようにしなければならないという相反する役目を担っているのです。
【ディスクブレーキ付近から音がする時】
よくブレーキを踏むと踏み始めにキーキー音がすることがありますが、これは単なるブレーキ鳴きと言って心配することはありません。
問題となるのは、ブレーキを踏んだ時にハンドルを取られ、キーキーではなくガーガーと金属をこすり合わせるような音がした場合です。
この場合は、パッドが完全に無くなって、パッドが張ってある金属板が露出し、それとブレーキのディスクローターが接触していることが考えられます。こういう場合は直ちに乗るのを止めて、修理に出す必要があります。出費は相当高額になります。
そうならないようにするにはどうしたらいいか?
マメに点検をするのが一番ですが、ブレーキを踏んでいないのにディスクブレーキ周辺から金属の擦れ合うような音がしてきたら要注意。この音は、パッドに仕込んであるセンサーがパッドが減ってきたために露出し、それがすれている音です。つまりパッドが減ってきたよ、という警告なのです。こういう音がしてきたらパッドを交換しましょう。
いずれにしてもブレーキからの異音は気になるもの。重大な故障や事故に結びつく部品でもあるので、こまめに点検するに越したことないですね。