最近やけに明るく青白い光を発するヘッドライトのクルマが多く、実際まぶしくて迷惑なのですが、明るいことが事故軽減につながるならやむをえないところです。一番まぶしいのがホンダのアコード。何とかしてくれ。
ヘッドライトは昔はタングステンを使ったシールドビームというのが主流でした。シールドビームというのはヘッドライトそのものが電球になっているもの。角型と丸型しかなく、デザイン的に乏しいものでした。
その後バルブといわれる光源を別に持つ形式のヘッドライトが主流となります。つまりヘッドライトの中に電球が入ってるタイプです。これでクルマのデザインに合わせたいろいろなデザインのヘッドライトが可能となり、現在に至っています。光源の主流はハロゲン球と言われるもので、タングステン球より白く明るい光を発します。
最近見るようになった青白い光のヘッドライトは「HID」と呼ばれるものです。ディスチャージとかキセノンヘッドライトとかいわれることもあります。
HIDは従来のフィラメントを発光させるハロゲンバルブとは異なり、バルブ内の電極間に高電圧をかけ発光させる全く新しいタイプの放電管です。つまり蛍光灯のようなもの。電圧は約20,000V。かなり高電圧です。光色は青白く見えますが本来純白で太陽光に近く、夜間の視認性が大幅に向上します。明るさは、従来のバルブの約3倍。消費電力も約2/1となっています。
またフィラメントが無いので球切れがなく耐久性もあります。欠点としては耐久性を考慮してもやっぱり値段が高いこと。そして、やっぱりまぶしいこと。メーカーは配光に十分配慮されたし。
HIDは無理としても、今ついているオリジナルのハロゲンランプを高性能の白いランプに交換することは可能です。ただし、ワット数が同じものを選ぶこと。競技用で120Wなどというものは車検が通らないし、ハーネス(車内に張り巡らす電線)を過電流で切断してしことにもなりかねません。
また、青い光やピンク色が出てしまうものはこれも車検が通らないので要注意。車検が通るものは「車検対応」と明記されているので、そういうものを選んでください。またメーカーによって種類が違うので、車種対応表をチェックするのも忘れずに。わからなかったら店員に聞いてしまうのが一番間違い無いです。
なお、ハロゲン球は素手で触ると手の脂がついてランプ切れを起こすので、必ず軍手をするか、素手でガラス部分に触らないように気をつけます。明るく白いヘッドランプは運転していて気持ち良いので、できればオススメのアイテムであります。
H1バルブとHIDバルブの比較
従来のH1ハロゲンバルブ HIDバルブ
バルブ定格 12V55W 12V35W
光 束 1550lm 3200lm
色 温 度 3200K 4500K
投 光 色 白 純白
寿 命 400時間 2000時間