[10]分けられる人間

2018年8月5日

人間の性格は、大きく分けてタイプが二つ有ります。大雑把に言えば影が濃いか薄いかの違いです。 影の濃い人=ヤンキー、現代的な人、薄い人=発言力が無い、景色に溶ける、鬱になりやすいタイプ…などなど。学生である方ならなんとなーくは分かる感じがするでしょうが…。

例えば、AとBが居たとしましょう。Aはいつも騒いでばかりで教室内のムードメーカー。ヤンキーっぽい人やギャルと特に仲が良くって、先生相手でもなんとでもなれな人。Bはいつも窓際で外を眺めている、存在感があまりない人。たまに誰かと話しているけど、相手は同じくあまり存在感が無い人。教室の隅っこで勉強したり本を読んでいたりするのを良く見る。

私が3年間の中学校生活の中、時折見る風景を極端にした例です。意味分からなかったらすいませんが…。学生の方、もしくは学生だった方、教室内、居なかったら他のクラスにのどこかの席に、ただじーっと座ってる人や本を読んでいる人、黙々と勉強している人を見かけたことがありませんか?その人は、話しかけてみたら相手が現代的な人の場合はおどおどしくって、自分と同じタイプの人間には友好的に接する人じゃありませんでしたか?その人は間違いなく現代人に「影が薄い」と判断される人柄です。
影が薄い、というのはあまり良い意味ではない、むしろ悪い方だと言うのは分かるのですが、分かり易く言うとこうなります。
更に極端に言ってしまえば、現代的なヤンキー・ギャルは陸上部やバスケ部などの運動部を好みます。影が薄い人は、殆どが文化部です。そりゃ運動が好きな人もいるでしょうが、運動部はあまりにも現代的な人が多いので仕方無く仲間が多い文化部を選ぶのです。つまりは行動力の問題です。
大棒は影が薄いほうです。昔から仲の良い私はこいつが優しいことや困っている人を助けてしまうこと、色々な事を知っています。保育園から一緒だったのだから当然ですが、そんなこと会ったばかりの他人に分かるはずがありません。私も一応老けた感じの大人の目を持っているので、大棒は結構りりしい奴だと思っていますが、現代的な人にはあまり受けの良い顔ではなかったのかもしれません。笑うと可愛いと思うんですがね…。
4組の生徒の自己紹介を聴いていて、私は頬杖を付きながら考えていました。「俺はどっちの分類だろうか」
聴きつつ、分けてみましたがやはり「濃い」に分類されるのはスポーツ(特にバスケット)が好きでヤンキーの入った男女ばかり、もしくは可愛くて良く笑うアイドル的な女子。逆に「薄い」に分類されたのは、見た目も眼鏡をかけていたり声が小さかったり、おどおどしていたりあまり語ることが多くない男女。眼鏡をかけている、というのは偏見でしょうが本を読むことが多い人は自然と目が悪くなるものです。
皮肉だな、と笑いつつ私はきのっちに名前を呼ばれ席を立ちました。
ただ、この分かれる二つのものも、同じ行動条件が一つだけあります。誰でもするでしょう、「グループ行動」です。休み時間、教室内を見渡してみればどこでもかしこでも女は女のギャルっぽい子達が教室の真ん中で輪を作ってキャーキャーと盛り上がっている。影が薄い女子は、教室の隅っこ、窓際のほうで趣味などの雑談。男子は外でサッカーかバスケ。基本的に単独行動や一人でいる事を好まない人という生き物は、誰かと一緒に居たりするのが一番安心できるものだと言われて居ます。ただ、やはりその場合分かれるときにはグループ内には自分と共感できる人しか居ないわけです。そこれ濃いと薄いの判別が付けられると思います。
私は多分、現代人でもなく影が薄いと判別される人間でもありません。これは私自身を見極めた上での答えですが、主観と客観は違うので他人から見たら現代人は「こいつはあまり好きじゃない」と思う人と、影が薄い人は「存在濃いなあ」と思う人が居ると思います。実際そうだったので自分の中でも答えが出ています。
だけど、それは今の私の話です。まだ幼い中学1年生である私は、人を見ることが出来てもそれに踏み込むことは出来ません。実際に、私は一匹狼的に好きな時に好きなところへ行くタイプでしたが、仲の良いのは影が薄いに分類される人柄の人でした。それと、私を傷つけたのは、濃いに分類される人「達」でした。
自己紹介が終わり、教室で班を作り、班内での行動分別表を決めるようにと用紙を渡されました。全ての苦痛はここから始まります。
しろいぬ万呼

よろしければ応援お願いします!
自傷・リストカットランキング