[11]心の傷(5)?小さなからかい?
役割分別表とは班内の生徒計六名が、一ヶ月後の席替えの時期までにその班の中で自分がどのような役割を受け持つか決める表です。例えば掃除時間、教室を担当するなら誰が箒か誰が雑巾か、誰が黒板を拭くか、等。
左から二番目の列、後ろから三番目の席に座っている私から、右隣に居る生徒とその後ろに座っている四名の生徒が同じ班になり、六人構成です。きのっちは小学校で班はやっても役割のリーダーを決めるのが必要だから、と予め班の席順でリーダーを決めていました。
1 2
3 4
5 6
班はこのような↑構成で、1が私です。2、3、4は男子、その中で4が同じ小学校の友人で、5、6の女子含め他の男子は違う小学校で見知らぬ顔でした。私の隣にいる2、ここではKと表しますが、Kは姉と私が話している時すれ違い際に「似てねー」と言った背の高い男子でした。
少し気まずいながらも、4の友人が居るので何時も通りの口調と調子で「どれ決めるんかー」と皆に話しかけました。そしたら俺が決めてやる、と2が名乗り出て私から鉛筆と紙を取りました。自分が班のリーダーとは分かっていても、なんとなく肩が重い気がしていたので好きなようにさせ、大人しく椅子に背を預けて見ていました。
その間、ちらと5、6に入る女の子二人を見てみると、それはもう影の薄い分類にしか区別されないだろう、読書が好きそうな顔でした。(彼女らはその後部活で同じになり仲良くなります。)此処では名前を5をトモちゃん、6を山ちゃんとしておきます。
Kに視線を戻すと、丁度私の欄に到達した所でした。見るのがなんだか嫌だったので、視線を黒板のほうに向けて不良座りをしていると3と4の男子が笑い出しました。何だと目を向ければKが私に紙を回してきました。そこには、
しろいぬ → 飯食い係
と書かれていました。
しろいぬ万呼