[168]読者Q&A『休職後の自然退職』

■読者からの質問

はじめまして。■解雇あれこれ(-6-)【自己都合退職】を拝見しました。
休職中の主人のことでご相談します。

24年程勤めた会社ですが、今年の始めに急に会社に行くことが出来なくなり”反応性うつ病”と診断されました。

原因はいろいろとあると思いますが直接の原因は仕事内容と職場の人間関係によるストレスが主なものです。

まだ完全に回復していない状態ですが、規程により3ヶ月欠勤後、6ヶ月の休職期間中に復帰できない場合は自然退職になり、辞表を提出するように言われています。

この場合でも自己都合退職になるのでしょうか?宜しくお願いします。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

お尋ねの件ですが、就業規則の規程に「3ヶ月欠勤後6ヶ月の休職期間中に復帰できない場合は自然退職になり」とあるならば、その時点で労働契約が解除されますので、その言葉どおり「退職」となると思われます。

この場合の退職とは定年の退職と同じく、あらかじめ定められた労働契約の終了として取り扱うことができるということです。会社としては特段の解雇の手続きを要しません。労働者側も辞表は必要ありません。会社が辞表をほしがるのは「解雇ではない」ことの証拠がほしいからでしょう。

ただし、休職の理由が会社の業務に原因する災害の療養である場合は「6ヶ月の休職期間中」というのが少々短いような気がします。これが療養期間を3年間位見ているならば、規程の「自然退職」も正当なこととなります。

いずれにしてもポイントは”反応性うつ病”が会社の業務が原因であるかの特定だと思いますが、この立証はかなり難しくそれなりの時間のかかる作業です。

2004/12/29(原文)
2006/06/27(加筆)

[167]従業員の健康診断

会社で行なう健康診断は労働力の管理の一環であり、正常な経営活動を行なううえでのリスク管理といえます。

会社は従業員を雇入れる時と、その後1年以内ごとに1回、定期的に一般の健康診断を実施しなければならないことになっています。(労働安全衛生法第66条、労働安全衛生規則第43条ほか)

◇雇入時健康診断【労働安全衛生規則第43条】

常時使用する労働者(パートタイムの場合は1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上あり、雇用期間の定めのない者か、契約の更新により1年以上雇用される予定の者などを含む)を雇い入れる直前又は直後に実施するもの。

ただしその従業員が医師による健康診断を受けた後3ヵ月を経過しない場合に、健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、その健康診断の項目に相当する内容については実施する必要はありません。

◇定期健康診断【労働安全衛生規則第44条】

常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を実施することが義務付けられています。

さらに特定業務従事者健康診断【労働安全衛生規則第45条第1項】については特定業務(坑内労働・深夜業等の有害業務)に常時従事する労働者に対して、6ヵ月以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を実施するものとしています。

なお、事業主は、一般健康診断および特殊健康診断を実施した際に、その結果を従業員に通知する義務があります。結果が思わしくない場合などは、医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは労働者に対して就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じなければならないことになっています。

会社は従業員の健康康診断個人票を5年間保存し、これに基づいて従業員の健康管理や適切な配置転換などの措置を講じなければならないものとされています。

ただし、この個人票は従業員といえども個人情報に該当するため、その情報の取り扱いは慎重にし外部に漏れないようにしなければなりません。

なお、会社で行なう健康診断については法律で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然事業者がその費用を負担すべきであるとしています。したがって、事業主は雇入れ時および定期に実施する健康診断の費用を原則として負担することが必要です。ただし、会社が実施する健康診断を本人の都合で受診しない場合には、従業員が各自で受けることも認められていますが、その場合の費用については、本人負担としてもよいとされます。

会社は従業員を雇い入れたなら、必ず定期健診はしなくてはいけません。もしそういった検診を行なっていない場合には、検診をするように会社に申し入れましょう。

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[138]安全配慮義務
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[166]テレワーク

最近「テレワーク」なる言葉が多く耳にするようになって来ました。社団法人日本テレワーク協会によればテレワークとは「情報通信技術(IT)を利用した場所・時間にとらわれない働き方」と定義しているようです。つまり遠くにいても仕事ができる、ということでしょう。

IT技術の発達により携帯電話やインターネットに接続できるパソコンを使えば、職場にいなくても仕事ができるようになりました。IT端末用いて外回りを中心にしている人は、いわゆる直行直帰状態でも同じ仕事ができますし、主婦や身体障害者も通勤無しで仕事ができるようになります。あらゆる人が同じ条件で働くことができるテレワークはもしかしたらこれからの主流になるかもしれません。

しかし、そこで問題となるのが労働関連諸法との兼ね合いです。労働基準法に代表される労働諸法は「自宅から職場に通って職場で仕事をする」ことを前提に制定された法律ですから、職場に来ない場合は労働を監督することは不可能ですから労働法は適用されません。今まではこのような場合は労働法ではなく民法の請負契約として取り扱われてきました。

しかし、成果に対する報酬制ならまだしも、成果に関係ない労働をする場合は職場が会社であっても自宅であっても同じ労働なわけですから、労働法が関与すべきものです。テレワークやSOHO等、時代にあった労働環境に合った労働諸法の整備がこれからの課題となるでしょう。

さて、テレワークのメリットですが、まず時間にとらわれない就業形態であるため都内に集中しがちなオフィスを地方に分散させることができるため、オフィスコストや通勤コスト、移動にかかるコスト、人件費等の間接コストを相対的に削減することが可能です。

また勤務者からすれば、自分自身のマネジメント能力を養うことができ、通勤時間の削減により時間的ゆとりをもつことが可能になります。結果的に生じた自由時間を家族との団らんや趣味の充実等に使えるようになります。

テレワークは時間と距離とに制約されていた地方にも朗報です。IT網を駆使すれば時間も距離も関係ありませんから、遠方ゆえ阻害されていた地域の活性化に有効利用できます。

テレワークによる新しい働き方は、今まで雇用機会の少なかった高齢者や主婦層、また身障者の方など通勤困難者等にも就業の機会が増加し、それが社会全体の雇用創出や産業活性化へと結びつきます。

高齢化や事故等により身体に障害が生じた場合でもテレワークなら仕事を続けられます。女性が育児や介護で一線を退くことは企業にとっても大きな損失ですが、普段からテレワークを制度として取り入れ実践していればたとえ環境が変化しても仕事を継続することができます。

いずれにせよ、テレワークという就労形態を育てていくことが今後日本では必要であり、これからの実態の推移を見定めながら、最も適切な法体制を整備していくことが肝要であると思われます。

[165]読者Q&A『時給を下げられた』

■読者からの質問

今契約社員として2ヶ月契約で働いているのですが、1回目の契約の時は、時給が1,100円だったんですが、2回目の契約更新の際、何らの説明もなく時給が1,000円に下げられていました。こういう場合、労働法には何らの規定もないのでしょうか?よろしくお願いましす。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

時給を下げられたとのことですが、賃金については労働条件でも一番大事な部分ですが、それを下げられたということはこれは「労働条件の不利益変更」に該当します。「労働条件の不利益変更」については最高裁では合理性の有る理由でなけれが認められない、とされています。

合理性については、

・不利益の程度
・変更の必要性の内容と程度
・変更後の内容自体の正当性
・代替措置等の有無
・労働組合との交渉の経過や他の労働組合、従業員の対応、
・社会的普遍性

などによって判断すべきものとされています。照らしてみていかがでしょうか?

しかし、賃金は雇用契約でも一番大切な事項であり、その賃金については契約の都度交渉すべきものです。そもそも雇用契約は双方が話し合い納得した上で押印すべきもの。時給を下げられたなら、その場で交渉しなければなりません。ハンコを押してしまったら、双方納得ということでその時給での契約となってしまいます。

労働関係法令では最低賃金法というのがありますが時給1,000円なら違法にはなりません。時給を下げられてもその契約書を確認し、押印したらその契約書は生きます。契約に際してはその内容に慎重になった方がよろしいかと思います。

万一内容を吟味しないうちに知らずに契約されてしまったなら、その契約を無効とすることができます。しかし、その場合は自分が辞めるということになると思いますので、あまり賢いことではありません。やはり契約や契約更新に際しては、十分な吟味が必要であるといえます。

2004/10/26(原文)
2006/06/27(加筆)

[164]読者Q&A『外注扱いの場合の年休』

■読者からの質問

年次有給休暇についてですが・・・。私は、去年の10月からパートで働いています。時間は、13:00から18:00までの5時間で、土日祝日と休みをもらっています。先月11月からは、9:00から18:00までと時間が変わりました。給与は、働いた時間のみ請求してもらっています。いわゆる、外注扱いです。会社の組合とかにも入っていません。一応、一日5時間、半年以上勤めてきましたが、こういう風な場合でも、年次有給休暇はもらえますか?

■たまごやの回答

『外注扱いの場合の年休』

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

労働契約である以上、年休はあると思います。会社の労務管理する人に何日ついてるか聞いてみてください。アクションを起こすのはその返事によります。

気になるのが「外注扱い」です。労働者がいてその労働者を管理している場合は労働契約となりますが、自由に仕事して管理者の管理から離れている場合は請負契約となる場合があります。この場合は労働契約ではありませんから、年休はありません。

自分の契約が「労働契約」なのか「請負契約」なのか、これも労務管理する人に聞いてみてください。あるいは雇用(請負)契約書が存在するはずです。

会社によっては明らかに「労働契約」なのに「請負契約」であるといって逃げる場合もありますので、注意が必要です。職場に出勤し、労働時間を管理監督されている場合は、労働契約となります。

労働契約であるならば、土日休みは週5日の契約となって(あるいは週30時間以上)正社員と同じ10日の年休があるはずです。

2004/10/18(原文)
2006/06/27(加筆)