[60]けっこう専門的なシミの話 その3

2009年10月2日

前回に引き続き、化粧品では対処しにくいシミの話。4つめは、メラノサイトが増えるために起こるシミですが、これを説明する前に、まず、日焼けについて少し確認しておきましょう。
肌が紫外線を浴びると、紫外線から身体を守るために、段階的に反応が起こります。
最初の反応は、メラニンの黒化。
通常、人の肌には、メラニン色素が均一に分布して、肌色を構成しています。メラニン色素は通常は薄い茶色をしていて、これが肌色を構成していますが、紫外線を浴びると、酸化型に変化し、色が黒くなります。メラニンが紫外線を吸収して、肌の深部へ進行しないようにしているわけで、肌の防御反応の一種なわけです。
日焼けした後、数時間で肌色が黒くなるのはこの反応です。これは、酸化反応の一種なので、抗酸化のビタミンCなどを塗布するか、大量に飲むと、割とすぐに元に戻ります。
そばかすのある人では、日焼け後にそばかすが目立つという声を聞きますが、これがまさにこの反応です。
さて、次の段階として、日焼けして数日後に、肌はさらに黒くなります。
これは、日焼けによってメラニン色素の生成が始まるからで、二次黒化といったりします。メラニンをたくさん作ることで、肌を守ろうとする反応です。
通常は、このくらいで肌の防御反応は終わるのですが、肌が炎症を起こしてしまったり、黒くなってもさらに焼き続けると、メラニンを作る細胞である「メラノサイト」そのものが増殖するという反応が起こります。
南国の人の肌は、もともと色が濃い場合が多いのですが、これはメラノサイトの数そのものが多いためとされています。
余談ですが、九州は南国に分類されますが、なぜか博多(福岡県)の女性には、北国の人もびっくりするくらい色白の方が多いことが知られています。一般論は上記のとおりですが、結局一般論でしかないということですね。
さて、話はもどって、このメラノサイトが増えすぎる、もしくは局所的に増えると、その部分がしみになります。メラノサイトそのものが色の濃い細胞だからです。
これは、さすがに化粧品ではまったくどうにもなりません。細胞を殺すしかないわけですから。逆に、メラノサイトが局所的に消失すると、白斑症という病気になります。
日焼けは、個人的には私も好きで、リゾートで海岸に寝そべったりする時間を愛していますが、美容にとってはまったくの敵。少なくとも、メラノサイトが増えてしまうような日焼けの仕方は、絶対に避けていただきたいと思います。
ということで、ようやく、専門的な美白の話へと進んでまいりましょう。
トミナガ☆マコト