[67]上品な笑い方がアンチエイジング

2010年3月5日

少し前に、雑誌の美容担当の友人と飲んでいたとき、吉永小百合さんは、なぜいつまでも若々しいか、という話になりました。
吉永さんは、あまりテレビに出られないので、そんなに見る機会はないのですが、確かにいつまでもお綺麗で、あまりふけた印象がありません。ご本人は、イメージにそぐわぬスポーツ好きでいらっしゃって、泳いでいるというようなお話を聞いたことはありますが、特にすごい美容法をやっているという話も聞きませんし、もちろん整形のうわさもありません。
友人いわく、彼女はテレビ女優ではないので老けないのだ、と。
友人の説では、テレビの女優ほど老けるのが早く、舞台を中心に活動している人は、比較的肌が綺麗でない傾向があり、映画女優がもっとも老けにくく、いつまでも綺麗であるというのです。
舞台の女優さんの肌が荒れるのは、メイクがきついから、ライトがきついから、と、まあ、仕方ないかなと、いう論理展開なのですが(もちろん、綺麗な方はいっぱいいらっしゃいますが、確かに、肌にとって非常に過酷な条件であることは事実のようです)、なぜテレビ>映画で老けやすさが変わるのか。
友人いわく、それは笑い方などの表情の作り方のせいだ、と。
テレビでは、クローズアップなどに代表される、顔の部分を使った表現が求められることが多く、また、一般的に非常にきついスケジュールで、長期間にわたって撮影が行われます。一方、映画では、それほど強烈な表現を求められることは少なく、特に、吉永小百合さんのようなポジションでは、比較的、上品な、抑えた演技を求められることが多く、表情筋を酷使しなくてよい、というのが、顔にとってよかったのだ、と。
この話を、テレビ番組のディレクターをやっている友人に話したところ、ああ、確かに、という話をしていました。どうしても、テレビを中心に、特にバラエティー番組などに出ている女性のタレントさんは、目じりのしわなどが早く現れやすく、老けやすいのだとか。
表情筋を使うか、使わないか、というのは、実は、顔のシワとたるみにとって、究極の選択に近いものがあります。
顔のしわには、乾燥などで生じるちりめんジワのような表層ジワと、深く刻まれる大ジワといわれるような深層のシワがあります。もちろんそれぞれに相関関係はあるのですが(この辺の話はNo19あたりに詳しいです)、大ジワの一種として、表情筋のくせによって生じる表情ジワといわれるしわがあり、代表的なのが眉間のしわですが、表情筋を動かしすぎると、一般にシワは増えると言われています。
しかし、一方で表情筋を鍛えずにいると、顔の脂肪や筋肉が重力に負けてたれてきます。このたるみ(もしくはやつれ?)も老けの大きな原因のひとつ。これには表情筋を鍛え、落ちなくすることが有効とされていて、シワとたるみの間には、こうしたジレンマがあるのです。
そういえば、老化研究の特集番組を見ていたところ、小食(もしくは粗食)だと長生きする、という研究発表が出ていました。これは、老化には活性酸素の発生が大きく関わっている、という論の展開例なのですが、大量の食料を消化すると活性酸素がより生じ、これによって老化が進行するというもの。同様に、運動をたくさんする人(スポーツ選手など)は、一般に老化が進行しやすく、短命である、という論を発表していました。
しかし、その番組でも、「食べるな」「動くな」の反面、「栄養をしっかり取らないと身体がやつれる」「運動をして体を鍛えないと、若々しい身体をキープすることができない」ということも紹介されていて、どっちやねん!!と観ながら、突っ込みを入れたものです。
要は、すべてにおいて「適度」なのがよいという話なのですが、もどって美容の話になりますと、「表情を作るときは、おおげさにせず、上品で、ややあいまいなくらいがベター」という話。がはがは笑うのも楽しいですが、やはり上品に、にっこりと微笑むのがよさそうです。
トミナガ☆マコト
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