[61]かなり専門的な美白の話 その1

2009年10月12日

いったいどこへ向かうのか、このブログ。
今回から数回に分けて、聞かれることの多い美白についてお話しようと思います。が、正確な情報をお伝えしようと思うと、このジャンルはかなり皮膚科学的なお話をする必要があります。
なぜかというと、皮膚の中でメラニンが作られ、これがシミやくすみの原因になるメカニズムはかなり複雑で、多段階的な作用をしているからです。しかも、最近の化粧品は、それらの各段階をそれぞれ捕らえ、ピンポイントで攻めるというメカニズムになっているからです。
なので、美白について正確に知りたいと思ったら、まずメラニンができる仕組みをしっかり理解し、これに対してどのような作用が起こるとメラニン生成をガードできるのか、を知らなければなりません。
ところがこれが結構複雑なのです。
一般的には、メラニン生成の仕組みは「紫外線が当たると、メラノサイトでメラニンが作られる」と思われています。「メラノサイト」という言葉をご存知なだけ、知識を盛っていらっしゃるほうかと思いますが、実際にはこれは30点くらいの回答になります。
メラニン色素の生成には、大雑把に(これでも大雑把なのです)次の4段階が存在します。
1)ケラチノサイトが紫外線を受容し、神経伝達物質によってメラノサイトへメラニン色素生成の命令を出す。
2)メラノサイトが指令を受け、チロシナーゼ酵素が活性化する。
3)チロシンから多段階の反応を経てメラニン色素が作られる。
4)メラニン色素がメラノソーム(という細胞)へと移行し、ここから皮膚内にメラニン色素が放出される。
いかがでしょう?けっこう頭痛くなってきましたね。
私自身、こんな膨大な情報をどうやって伝えればいいのか、ちょっと悩みどころなのですが、中途半端で不正確な情報より、多少ややこしくても、正確で、有益な情報のほうがよいと思うので、あえてこの路線で進めたいと思います。
ということで、次号より、第一段階から説明させていただきます。
トミナガ☆マコト