[58]けっこう専門的なシミの話 その1

2009年9月7日

美白の話を書こうと思っていたのですが、その前に、シミについて書く必要があったなと。だた、気づいたのはよかったのですが、これまたけっこうめんどくさいということにも気づきました。
一般的な「シミ」についての理解ってどんな感じなんでしょう?私はシミを4種類に分けて説明していますが、これは結構驚かれることが多いです。実際に、専門的にはもっと細かく分類できるはずなんですが、明確に分かれるのはこの4種類なのではないかなと、思うわけです。
1.メラニンの蓄積によるシミ
これが一般的に言われる「シミ」です。一般的に言われる、というより、化粧品が相手にしているシミ、と言ったほうがいいかもしれません。
人間の皮膚は表皮と真皮に分かれます。表皮は身体をガードしているところ。真皮はコラーゲンやエラスチンなどで肌を支えているところ、と分類したら、あまりに大雑把でしょうか?この間をつないでいるのが基底層と言われる部分で、ここにメラニン色素を作る細胞「メラノサイト」があります。
皮膚の中では、メラノサイトで適度なメラニンが作られ、皮膚の新陳代謝と一緒に排出され、肌の色が一定に保たれます。メラニンは皮膚を守るために作られていて、日焼けしたときなどには大量に生成されますが、必要がなくなると生産量が普通に戻り、肌の中のメラニンも徐々に減っていって、皮膚は元の色に戻ります。
ところが、何らかの原因で部分的に大量に作られてしまったり、皮膚からの排出がうまくいかなくなると、その部分だけ肌の色が濃くなり、シミとなってしまうのです。
これの改善のために、現在の美白剤は「メラニン生成をスタートさせない」「メラニン生成を阻害する」「メラニン排出を促進させる」「メラニンそのものの色を薄くする」などの機能によって、シミを改善させています。
メラニン排出もしくはメラニンの異常生成であれば、きちんと日焼け対策をして、紫外線をガードしながら美白成分を与えれば、改善します。これは、いくつかの研究結果で実際の人を使って実験されたデータがあります。
2.メラニン生成がとまらないために生じるシミ
前述のとおり、メラノサイトは、主として紫外線から肌を守るためにメラニンを生成し、必要がなくなると生成を止めます。しかし、なんらかの原因で、生成がとまらなくなる場合があります。これの原因はよくわからないのですが、とにかくメラニン生成が停止しないために、メラニン排出が終わったあとも、その部分だけメラニンが作り続けられてしまうということによりシミになってしまう、というメカニズムが存在します。
詳しくは改めて説明しますが、メラニン生成は、メラノサイトが紫外線をキャッチして始まるわけではなく、皮膚の中のほかの細胞がキャッチして「紫外線が来たたからメラニンを作りなさい」という指令をメラノサイトに伝えることで始まります。どうもこのへんにキーがあるようで、最近はこのメカニズムに着目した成分が多く紹介されています。
とはいえ、これも1.と同じで、できるのは日焼けしながら美白剤を塗ることくらい。結構効果があるようですよ。
とまあ、ここまでは、意外にシンプルなメカニズムの「シミ」だったわけですが、これ以外のメカニズムによるシミはちょっと厄介です。
次回は、化粧品では対処が難しい「シミ」についてお話します。
トミナガ☆マコト
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