[14]肌が弱いのですが、オススメのスキンケアは?その1

2008年7月25日

お客様とお話をしていると、大体3人に1人くらいが「私は肌が弱いんです」とおっしゃいます。正直なところ、そんなに多いものだろうかと思いますが、大手メーカーが時々発表する集計などを見ていると、大体このくらいの割合で合っているようです。
一般に肌が弱い人を敏感肌と言ったりします。ですが、その定義は曖昧で、また部分的に複雑です。大雑把に分けると、敏感肌(もしくは単純に弱い肌)は以下の3パターンに分けられるかと思います。
1)特定の成分や原因に過敏に反応する肌
2)乾燥や皮膚の薄さが原因で、外的刺激要因が肌に進入しやすい肌
3)にきびができやすい肌
さらに、1)の中には
a:刺激を感じやすい肌(痛みを感じる)
b:アレルギーを起こしやすい
c:紫外線や摩擦、温度変化などの影響を受けやすい
などに分類できるので、正確には5パターンくらいに分ける必要があるかと思います。(実際の皮膚科の現場では、もっと厳密に分類することもあります)
なんでこんなややこしい話をしているかというと、たとえば1)と2)の人では原因から対策までまるっきり違っているからです。また、最近はにきびができやすい肌質の人まで、「肌が敏感なので、肌が反応しやすく、にきびができる」と認識して、敏感肌ですと申請する方が増えていて、さらに混乱を招いています。
また1)の、特定の物質または環境変化などに反応しやすい人というのも、実はあまり自覚のある方は少なく、トラブルが生じたときに原因や対処がわからず、まちがった対処をしてしまわれる方が少なくありません。
私が経験した例では、初夏に化粧品でトラブルを生じたが、2週間使って大丈夫だったのが、急に顔の一部だけかぶれてしまったというお問い合わせだったのですが、なんとその方は同様のトラブルを前年の同じ時期にも経験されていて、結論から言うと紫外線アレルギーだったことがわかりました。
ご相談に乗りながら、もしやと思い、病院での検査をオススメしたところ判明したとのことで、これがわからなかったら、毎年同じ時期に同じトラブルにあい、合っているはずの化粧品を捨てなければならなかったと、後々感謝のお電話を頂戴しました。
ただ、実際に肌が弱く、トラブルを起こしやすい人は、上記の5つのパターン
を複合的に持っている場合が多いようです。特にアトピー性皮膚炎の方では、
2)の肌質であり、1)?bのアレルギーを起こしやすいという特性を持って
いるため、トラブルに見舞われやすいという特徴があります。
2)の肌質の場合、乾燥性敏感肌という表現も聞かれます。例えば、以下は、
メーカーですが、第一三共ヘルスケアのサイトで、かなり詳しく紹介されて
います。
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_deepdryskin/dryskin/index.html
ただ、この言葉はもともと花王がキュレルという製品を出したときに、かなり大きく宣伝していたのですが・・・
乾燥性敏感肌の理屈は非常にわかりやすいものです。
皮膚は最外層の角質層に水分や油分を抱え込むことで、外的の進入を防ぐ仕組みを持っています。しかし、この構造を支えるアミノ酸やセラミドといった成分が少なくなると、水分保持の構造が壊れ、角質細胞が「すかすか」の状態になってしまいます。
この状態だと、細胞の隙間から刺激物質が入ってしまい、トラブルを引き起こすというのが乾燥性敏感肌の大まかな仕組みです。汗をかいたら、肌が痒くなったとか、肘や膝の内側が痒くなりやすい、という方は、この肌質を疑ってみるべきだと思います。
と、いったところで、相変わらず長くなってしまいましたので、パート2に続きます。
トミナガ☆マコト