[44]ビタミンC誘導体とは??(2)

2009年4月26日

結局前振りだけで本題に入れなかった前回。今回は、かなり技術的な話になります。なるべく解りやすく説明するつもりですが、私自身が技術上がりの人間なので、解りにくかったらすみません。
さて、ビタミンC誘導体。
端的に言ってしまえば、ビタミンCを安定化させたものです。と言ってしまえば、それだけなのですが、そこには工夫があります。もちろん。
ビタミンC誘導体を化粧品に配合する理由は、肌にとって非常に有効な成分であるビタミンCを肌の中で効率よく働かせることです。というのも、ビタミンCは、非常に反応性が高く、肌に塗布しても肌の上で失活してしまい、その効能を上手く発揮させることができないのです。
そこで、ビタミンCが肌の上や化粧品の製剤中では安定でありながら、肌の中に入ると活性を現す、といった具合に加工したものがビタミンC誘導体。
具体的にはビタミンCにリン酸や糖の一種であるグルコシドなどを結合させ反応活性部位が反応しなくなるようにしたもので、皮膚に入ると、表皮層や真皮層にある酵素によって分解され、ビタミンCに戻るという仕組みです。
難しいですよね。書いている私も、どう説明してよいか迷ってしまいます。ま、科学的に正しいのは上記なのですが、こんな説明で理解できる人は、ほぼいないので、私が説明するときはよく腸の薬に例えています。
つまり「胃で溶けずに腸で溶けて働く!」というやつです。肌の上を「胃」、肌の中を「腸」と考えればよいのです。つまり、「肌の上では溶けず、肌の中で溶ける」みたいな。
こういう説明をすると、「それってつまりはカプセルってこと?」と言われるのですが、化学的にはカプセルとはまったく別物です。が、ま、似たようなもの、と理解しても、さほど問題は無いかと思います。
基本的に押さえておく必要があるのは以下のこと
1)化粧品中や肌の上では作用が無いこと
 作用したら、そこで反応して有用性がなくなってしまいます。
2)その成分自身がそのまま効くわけではないということ
 つまり、ビタミンC誘導体に戻ってこそ有効なわけです。
3)それ自体では安定性が高いこと
 肌に入る前に安定性を失うと意味がありません。
上記のような条件を満たしたものが、有効性を認められ、、医薬部外品の主剤としての認可が得られています。以前は、リン酸アスコルビン酸Mgという成分が1人勝ち状態で、広く使われていたのですが、最近は様々な成分が市場に出回っていて、用途や目的に応じて使われるようになってきました。
次回は、いくつかのビタミンC誘導体の特徴についてお話しましょう。
トミナガ☆マコト

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